20代前半という若さでありながら、なんとも大きな卵巣腫瘍を下腹部に抱えていたペルーのある女性。このほどやっとその摘出手術を終えたことが伝えられた。腫瘍の重さは16kgにもなっていたという。
異様に膨れ上がっている腹部、増え続ける体重に悩み続けていたというのは、ペルーの“ジャングル地帯”として知られるロレト県在住のイリヤニータ・ロハスさん。胃が押し上げられる苦しみ、骨盤内の痛み、そして激しい息切れから学校に通うこともままならなくなり、22歳になった彼女には「オメデタなの?」と尋ねる人ばかり。だがそうではない。原因はすべて極度に肥大した卵巣にあったのだ。
恋愛も結婚もしたいお年頃のロハスさんは、不安とともにリマにある「Archbishop Loayza National Hospital」という国立病院の婦人科を受診した。病名は「卵巣腫瘍」。重さが35.3ポンド(1,601g)もあると予想され、腫瘍はおそらく13歳頃から体内で成長を続けていたのではないかと説明された。このほど3時間にわたるその手術が無事成功したが、同病院のルイス・ガルシア・ベルナル医師は病理検査の結果、腫瘍が悪性であったことを発表した。一般的にみて、良性の腫瘍としてゆっくりと肥大化するものでも長い経過の中で悪性に転じることは多い。
今後に追加の治療が必要であることから、ロハスさんが安心して自宅に戻れるのはもう少し先になるとのこと。しかし母親や医師団に付き添われながら会見を行った彼女は、感謝の言葉とともに「摘出手術をしてもらえる日が来るなんて実は予想していませんでした。皆さんのおかげで新しい命をいただいた気分です。夢はもう一度きちんと勉強することです」と笑顔で語った。なお各種検査、手術、投薬など高額な医療費に耐えうる家庭ではなかったが、今後の研究、医療技術の発展に大きく貢献してくれるであろう極めて珍しい症例であることから、ペルー保健省が介入。すべての費用を国が負担すると約束してくれたという。
出典:http://www.opposingviews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)