writer : sekihara

個人宅配を介した交流に心温まる 実話を元にしたアニメ動画公開

食料や日用品を届ける個人宅配を通して、配達員の若者と届け先のおばあさんの触れ合いに心温まる動画がこのたび公開された。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』『Love Letter』『海猿』などを手がけた映像制作会社『ROBOT』の涌井剛氏がプロデューサーを務めており、ほのぼのとした優しいタッチのアニメーションで実話を元にした物語を描く。

みやぎ生活協同組合(宮城県仙台市)が公開した『金曜日の約束』(https://youtu.be/NY_07hIgfUs)は、配達員の青年と宅配の到着を待っているおばあさんの交流を描いた3分半弱のアニメだ。登場人物は2人だけ、台詞はないが表情や動作で巧みに心情を表現している。

登場人物は、配達員の青年と届け先のおばあさんの2人だけ

物語は仙台市から車で約1時間、宮城・山形の県境にほど近い、新緑の山道をみやぎ生協のトラックが走るシーンから始まる。向かっているのは、一軒家で暮らしているおばあさんの家。トラックに気付いて椅子から立ち上がるおばあさんは、宅配を心待ちにしているようだ。毎週金曜日午後4時頃、雨の日も暑い日も変わらず宅配を届ける配達員の青年。猛暑の8月には、「今日も来てくれて、ありがとうね」とおばあさんがアイスキャンデーを青年ににっこりと差し出す。青年は照れくさそうにそれを受け取った。

アイスキャンデーを差し出すおばあさん

そして時は過ぎ冬、大雪の日、トラックではこれ以上進めなくなり、青年は歩いておばあさんの家まで行くことに。雪が降る中、足は雪に埋まり、しかも宅配の荷物を持った青年は思うように前に進めない。この日は大みそか、配達商品は年越しや正月料理の食材などだ。なんとしてもおばあさんにこの宅配を届けたい。1時間かかってやっとおばあさんの家に着くが、呼び鈴を鳴らしてもおばあさんは家におらず、心配になる青年だったが…。

この動画は、みやぎ生協個人宅配の配達員に取材をして、その中の印象的な実話エピソードを元にしているという。店が遠くて買い物になかなか行けなかったり、足腰が弱って出かけられなかったり、重い荷物を持って帰れないお年寄りもいるだろう。そのような人々にとって個人宅配はライフラインそのもの。それを理解し責任を持ってどんなときでも宅配を届ける配達員と、それを待っている人との交流が、日々どこかで生まれていることだろう。

(TechinsightJapan編集部 関原りあん)