米国では時おり報じられることがある、資格を持たないのに医療行為を行ってしまうニセ医師のニュース。2011年にサンフランシスコで逮捕されたニセ形成外科医に対し、裁判所はこのほど厳しい判決を言い渡した。
医師の免許を持たないものの、サンフランシスコのミッション・ディストリクトに形成外科医として「Derma Clinic」を開業し、施術を続けて来たカルロス・ガズマンガーザという53歳の男。2011年に逮捕・拘留となっていたこのニセ医師に対し、最近になって懲役20年の実刑判決が言い渡されたことを『サンフランシスコ・クロニクル』紙が伝えている。
医療に関しては心がけも施術も適当そのもの、かつ医療廃棄物処理に関する正しい知識も持たないこの男はさまざまなエピソードを残していた。脂肪吸引手術を行うも2.7kgもの脂肪の捨て場に困り、患者の自宅にわざわざ出向いて「トイレに流して廃棄を」と命じている。また手術中にタバコを吸い、点滴静注バッグを患者自身に持たせていたことも判明。10cmもの長い注射針を尻の内部に置き忘れたこともあり、3000ドルも支払って粗末な手術を受けた者は、その後に感染症に見舞われて別の医療機関での治療を余儀なくされた。
カルロスの患者であったことを検察当局が確認したのは最低でも9名、いずれも中米からの移民ばかりである。執刀内容は脂肪吸引、フェイスリフト、豊胸などだが、皮膚の治療においては怪しげな薬をニキビの特効薬として注射することもしていた。逮捕の直接のきっかけとなったのは、カルロスが医師と患者という力関係を悪用して女性2名に性的行為を強要したこと。うち1名は、乱暴される前に睡眠薬を飲まされた可能性が高いという。検察当局の捜査は非常に長いものとなり、罪状は重罪・軽犯罪合わせて41にもわたるものとなった。
出典:http://www.nydailynews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)