話題の何かが発表される際には、直前にメディアの取材を受け付けるかお披露目イベントが開催されるもの。新製品の場合はそこでリポーターが“実験台”となることはとても多い。このほどイスラエルであるメーカーが新しい防刃ベストをお披露目したが…。
イスラエルでは昨年9月以降、民間のイスラエル人、ユダヤ系アメリカ人が殺されるという事件が相次いでいる。治安部隊に射殺されたパレスチナ人132名のうち、わかっているだけでも91名がイスラエル人やアメリカ人をナイフで刺しており、それ以外の者も刺そうと試みた形跡があるため、市民は刃物を持った人物による急襲に怯えて暮らしている。危険とされる地域に頻繁に出入りするジャーナリストにも最高の防弾、防刃ベストが必要となっている中でこのアクシデントは起きた。
戦闘服などを製造しているある会社がこのほど発表した最新の防刃ベスト。その取材を行ったのはイスラエルのTV局「Channel 1」のリポーターであるEitam Lachover氏であった。彼は“実験台”となってベストを着用。その背中に鋭いコマンドナイフを突き立てたのは、開発にあたった副社長のYaniv Montakyo氏であった。不安そうなLachover氏に「うちの製品は世界中の軍隊で認められていますよ。ご安心ください。これならあなたの命を必ず守ってくれますから」と言いながら、ナイフを幾度も振り下ろすのであった。
問題が発生したのはその3度目であった。前回までとは異なるズブッといやな感触があったというLachover氏。なんとナイフはベストを貫通して彼の背中を傷つけ、病院に急行したのであった。彼はのちほどTwitterで「数針縫ったもののたいした怪我ではない」と報告したが、Montakyo氏や会社を責める様子はみせていない。そんな彼に詫びるためにも、会社は今すぐもっと頑丈な防刃ベストの開発にあたるべきであろう。
出典:http://www.independent.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)