海外発!Breaking News

writer : ac

【海外発!Breaking News】ボート転覆、妻と子供7人が溺死。命懸けで欧州を目指すシリア難民。

今年8月の時点で、シリアでは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が把握しているだけで400万人以上が国外に避難しているという。国外に逃れた人の9割は周辺国に留まっているものの、この夏だけで欧州に亡命したのは34万人。難民達は命懸けで海を渡る。

生後20日から9歳までの子供7人と妻を連れて、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が支配するシリアから欧州に渡ろうと試みたのはアリ・アルサホさん。シリア北東部の都市ダイル・アッザウル出身で、ボートを手配した業者に4,600ポンド(約84万円)を払い、トルコ西部のチェシュメを経て、エーゲ海東部に位置するギリシャ領のヒオス島に渡るはずだった。彼は『Sunday Times』のインタビューでこのように語っている。

「ボートは人であふれていた。ヒオス島までは10マイル(約16キロ)にすぎず、15分ほどで到着するからライフジャケットも必要ないと説明を受けたんだ。しかしボートのエンジンが故障したかと思うとあっという間に転覆。覚えているのは子供達の泣き叫ぶ声だけだよ。暗闇で何も見えなかった。」

「私は幸運にも漁師に助けられたけど、子供7人と愛する妻、全てを亡くした。私達は運び屋にだまされたんだ。ボートは過積載だったし、あいつらは裏切り者さ。娘の1人は病気で、ドイツで手術を受けさせようと思っていたのに。爆弾、殺戮…シリアの生活がどんなに悲惨でも家族揃ってあそこにいるべきだった。」

子供5人と妻の遺体は発見されたものの、子供2人は未だ行方不明のままだ。UNHCRによると、今年に入ってから欧州を目指した3400人あまりが死亡もしくは行方不明となっており、少なくとも200人がトルコからギリシャの危険な海路で命を落としたという。また2015年11月から翌年2月にかけて、約5000人が厳しい寒さの中で欧州を目指すと予想されている。

※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)