インドネシアのジャワ島から南へ360キロ、オーストラリア連邦領クリスマス島は面積の63パーセントが国立公園である。人口1500人足らずの島で、今年も恒例のアカガニの大移動が始まった。英メディア『dailymail.co.uk』が伝えている。
毎年10月から11月に繁殖期を迎えた約1億2千万ものアカガニが、産卵のために熱帯雨林の棲み処から海に向かって一斉に移動するというクリスマス島。今年は雨季の遅れで島の恒例行事は12月にずれこんだ。
大型の甲羅の幅は12cmほどというアカガニだが、森から海への移動で最も危険なのは車が頻繁に行き交う道路を横切ることで、毎年かなりの数が犠牲になる。またアカガニの堅い外骨格がタイヤに穴を開けてしまうことから交通事故もおきやすい。だがここ数年で、カニと人間の共存はずいぶんと進んだようだ。国立公園の自然保護官は道路を通行止めにしたり、道路脇にフェンス、カニ専用のトンネル、橋を作ってカニが安全に海まで辿り着けるよう努力している。島の住民もカニをつぶさないように車を停め、熊手でカニを道路脇に寄せてから走行する。
豪パース出身の女性写真家カースティ・フォークナーさん(38)は、この島に来て8年になるというが「何度見ても大自然の素晴らしさを実感できるイベントよ。卵が海に放たれて1か月もすると、何百万匹の赤ちゃんガニが今度は海から森に帰って行くの。小指の爪ほどの大きさの赤ちゃんガニで道路が真っ赤に染まる光景は圧巻だわ」とインタビューに答えている。
※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)