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writer : ac

【海外発!Breaking News】虫歯の原因、シュガーフリーやダイエット飲料でも(豪)

砂糖がたっぷり入ったソフトドリンクよりも“ダイエット”や“シュガーフリー”と表示された飲料のほうが健康にも歯にもいいのでは…と思っている方も多いはず。しかしオーストラリアで行われたある研究センターでの実験結果は…。豪メディア『The New Daily』が意外な事実を報じている。

このたび豪メルボルン大学口腔衛生学共同研究センター(University of Melbourne’s Oral Health Cooperative Research Centre)では、ソフトドリンクやスポーツドリンクなど23種類の飲料にヒトの歯を浸し、表面のエナメル質に与える影響について実験を行った。先月下旬にその結果を公表するとともに、消費者にこうした飲料に含まれる化学成分の危険性について注意を促した。

運動をする時のエネルギー・水分補給にスポーツドリンクは欠かせないという人もいるが、実はこのドリンク、糖質のほか、疲労回復に効果的なアミノ酸や、美容や健康に良いとされるクエン酸が多く含まれている。そしてこの“酸”が歯の健康にはかなりの曲者らしい。では、シュガーフリー飲料やダイエットと名がつくソフトドリンクはというと、こちらにも砂糖の代わりにステビアなどの人工甘味料などが使用されており、この成分がなんと酸性だというのだ。

同センターの最高責任者エリック・レイノルズ氏によると、酸性の化学添加物は唾液によって中和されるはずの虫歯菌を活発にし、口の中が酸化されてしまうことで歯の表面のエナメル質が溶かされ虫歯になりやすい環境を作ってしまうという。エナメル質が溶け始めるのはpH5.4以下とされ、pH値が3.6~4.6が標準とされるスポーツドリンクなどを飲むことが多い人は、エナメル質がダメージを受け、虫歯菌がエナメル質より下の象牙質にまで達しやすいとのこと。実験ではシュガーフリーの有無にかかわらず、フレーバー水、ソフトドリンク、スポーツドリンク(カルシウム含量が高い2つのブランドは別)はエナメル質を溶かすことが確認されており、これに砂糖が加わると虫歯になる可能性は2倍になるという。オーストラリアの歯科医を訪れる子供の虫歯の3分の1は酸によって歯が削られていく酸蝕症が原因であり、ドリンクの成分についてきちんとした知識をもたないことが被害を大きくしていると指摘する。

それでは虫歯のリスクを減らすためのポイントはというと?

・酸性添加物(リン酸、 酒石酸塩、クエン酸ナトリウム、クエン酸の表示をチェック)が含まれているものは飲まない。
・だらだら飲みは避ける。
・どうしても飲みたい時はストローを使い、歯との接触を少なくする。
・口が渇いているときは唾液の働きも落ちるので飲まない。
・飲んだ後1時間は弱ったエナメル質にダメージを与えるため歯磨きをせず、水を飲んだりうがいをしたりしてロの中に残った糖分や酸をすすぐ。
・一日2回の歯磨きやフロスを習慣にする。
・就寝前は飲まない。
・定期的な検診を受ける。

ちなみにシュガーフリーキャンディーやトローチ、ミントなど飲料以外でも含有化学成分の注意が必要とのことだ。

※ 画像はthenewdaily.com.auのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)