米カリフォルニア州を中心に7日夜、1つのミステリアスな光が夜空を照らす様子が目撃され、各地で911番緊急通報が相次いだ。周辺の州からも同様の目撃情報があるとメディアが報じると、全米にUFOかと緊張が走ったという。
カリフォルニア州オレンジ郡で各関係当局に相次いで寄せられた「上空に謎めいた動きをする円錐形の物体を発見。緑~青がかった非常に明るい光の尾を引きながら進んでいる。UFOか」「ゆっくりと動いていると思ったら突然爆発した」「花火でも流れ星でもなく、隕石でもない不思議な光」といったその目撃情報。ネバダ、アリゾナ、コロラドの各州でも同様の目撃談が出たことから、あっという間に全米規模の騒動に発展してしまった。
ほどなくしてオレンジ郡保安官事務所が「南カリフォルニア沿岸部で行われた海軍による引火試験のようです」とTwitterを通じて発表。カリフォルニア州のメディアも「謎の光は海軍のオハイオ級原子力潜水艦(USS Kentucky-SSBN)から発射された、“トライデントII(D5)”という艦隊弾道ミサイルであったことが確認されました」と報道し、人々はそこで平常心を取り戻した。もっとも「ミサイルが夜空を照らしながら飛ぶ光景を目にするのは不安」との声も多々あるようだ。
また海軍第3艦隊の副長ライアン・ペリー氏も、海軍戦略システムプログラムによる予定されていた打ち上げ実験であったことを発表したが、ロサンゼルス沿岸警備隊は「海軍のポイントムグ基地に事実確認を行った際、打ち上げ場所は決して明らかにされなかった」としている。相手が市民の安全を守る沿岸警備隊といえども軍は常に秘密厳守なのである。
また米連邦航空局(Federal Aviation Administration)は6日、ロサンゼルス国際空港の発着便について各方面に「軍関係の活動が夜間~早朝にかけて予定されることから、太平洋側から、あるいは太平洋に向けての離着陸を避けるように」と通告していた。海軍戦略システムプログラムによる各種の実験は11月12日まで続くといい、いつ、どこで何が打ち上げられるか公表されないことから、こちらでも関係者がかなりやきもきさせられているようだ。
※ 画像はnbclosangeles.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)