友人との深夜の長距離ドライブに、なんと80代の曽祖母を連れ回した10代のひ孫。しかも座席に座らせるのではなく、手荒いやり方でトランクに押し込んだのであった。米オレゴン州から信じがたいティーンエイジャー3人組の話題が飛び込んできた。

オレゴン州のFOX系メディア『kptv.com』とのインタビューに「6時間もトランクに閉じ込められ、とにかく疲れてしまいました。どうして家族にそんなひどいことができるのでしょう」と力なく語るヘーゼル・アベルさん（86）。すでにワシントン州ケニウィックの自宅に戻っているが、可愛がってきたひ孫に誘拐されて乱暴に車のトランクに押し込められ、60ドルを盗まれ、300キロ超もの長距離ドライブに連れ回されたという。怪我がなかったことは幸いだが、これまでの愛情を裏切られた失望感はかなり大きいもようだ。

自宅にいたヘーゼルさんを予期せぬ誘拐事件が襲ったのは、2日の夜8時頃。お気に入りのテレビ番組を見ようとしていた時に玄関から物音があり、ドアを開けるといきなり顔面に花壇の土を投げつけられ、動転している間に無理やりガレージに引っ張り出されたという。絶叫したヘーゼルさんは口や目を手でふさがれ、続いてダクトテープで手を縛られ、犯人の正体もわからないまま自分の車のトランクに押し込められると車は発進した。吠えてうるさかったことから、愛犬の“テッサ”もトランクに一緒に放り込まれたという。

その車はオレゴン州ポートランドを目指してひたすら西に向かったが、途中で身動きが取れるようになったヘーゼルさんはトランクの内側をさぐり、ついにフードが開くコードがあることを知った。ポートランドまであと少しというウッドヴィレッジの「ウォルマート」に車が停められた時、ヘーゼルさんに脱出のチャンスが訪れ、店員に助けを求めるとティーンエイジャー3人組は取り押さえられた。

ケニウィック警察はこの事件でヘーゼルさんのひ孫であるディラン・マーティン（16）、ビリー・アンダーウッド（15）、そして14歳の少女身柄を拘束したが、この少女については少年裁判所の審理に委ねられるものの、少年2人については家屋への不法侵入、誘拐、自動車および金銭の窃盗、無謀運転など複数の罪状で起訴が決定している。少年がヘーゼルさん宅のキッチンから肉切り包丁を持ち出していたこともわかっており、動機についてさらなる調べが行われている。

※　画像はkptv.comのスクリーンショット。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）