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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】鼻をかんだら瞼が肥大した32歳女性(英)

花粉症、風邪、鼻炎、さまざまな理由で出るくしゃみや鼻水。それを非常に恐れている女性がイギリスにいた。鼻を強くかんだことをきっかけに、彼女の瞼はゴルフボールほどに肥大してしまったというのだ。

症例報告のオンライン・データベース『BMJ Case Reports』に極めて珍しい症例が発表され、話題となっている。英レスター王立病院(Leicester Royal Infirmary)の救急センターに急行したという32歳のその女性患者(名前などは明らかにされず)。「4時間前に鼻を強くかんだところ瞼が徐々に腫れあがり痛くなってきた。ぶつけた覚えはない」と訴えたというのである。

熱がないことから、細菌性副鼻腔炎などが原因で眼筋麻痺や眼球突出が起きる「海綿静脈洞血栓症」でもないと判断し、画像診断ほかひと通りの検査が行われた結果、それは目のまわりの柔らかい組織に空気が無理やり押し込まれた「眼窩気腫」の状態であることが判明した。眼球に圧力がかかったこの状態を放置すると、視神経への血流が途絶えて最悪の場合は失明に至ってしまうという。

画像診断でわかったもうひとつの事実は、その女性が鼻骨を骨折していたということ。しかし本人は「いつのことなのか全く気づかなかった」と話しており、鼻骨骨折とこのたびの瞼の症状に関連性があるかどうかは不明とのことだ。なお、顔面を殴られた後で眼球付近に気腫が生じる、歯科治療で空気を吹きかける器具が使用されて口腔領域などに気腫が生じるということはまれにあるが、自発的に鼻骨が砕け、鼻をかんだことがきっかけでこのように瞼が腫れた例は過去に報告されていないそうだ。

検査の結果、幸いにも視神経と視力にはダメージを受けていないことがわかり、2週間以内には腫れも引くであろうとの判断からこの女性患者には抗生物質だけが処方されたという。いきんで息を止めての筋緊張により全身を強力にパワーアップさせることを「バルサルバ効果」と呼ぶが、まれにはそうしたことも同様の気腫を発生させる原因になるというから気をつけたいものである。

※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)