自分の飼い主にやっとめぐりあった1頭の犬。しかし再び保護施設に連れて行かれ、その様子に人々の同情の声が集まった。カナダ・トロントの施設で起きた出来事を、地元テレビ局『City News』が伝えている。
トロントにある一時的な犬の保護施設「Mighty Mutts」に、かつて“ラナ”と呼ばれる子犬がメキシコからやってきた。施設を運営するDahlia Ayoubさんによると、やせ細り大人の手のひらほどしかない小さな身体のラナは、何に対しても怯えていたという。飼い主が見つかるまでと、短期の里親制度を幾度となく利用してきたラナがある家に引き取られたのは5歳半のとき。すると何の問題も起こさなかったラナが、突然飼い主を威嚇して噛みついてしまったのだ。Ayoubさんは「メキシコにいたころ、小さな身体のラナは確保したエサを取られまいと威嚇することを覚えたようです。せっかく里親が見つかったと喜んでいたのもつかの間、ラナは施設に返されてしまいました。小さな子供がいる家庭だったので、仕方がないといえばそれまでなのですが…。普段は本当に優しい子なんです」と話す。
写真はラナが施設に戻った直後に撮影されたものである。その姿は背中を丸め、顔を壁に向け動こうとしない。この日は職員が散歩に連れ出そうとしても微動だにせず、何を言っても反応がなかったのだ。獣医によると、犬や猫はストレスに非常に敏感な生き物で、心の痛みを行動で表し何らかの異常サインを出すという。ラナのように愛情に飢え、うつ状態になってしまった場合、回復に2~3週間もかかることもあるそうだ。
ラナはその後、過去に面倒をみてきたAyoubさんの訪問で回復を見せた。Ayoubさんが話しかけると嬉しそうに飛びつき、いつもの人懐っこいラナに戻ったという。そしてラナの悲しそうな姿がSNSでアップされると同情の声が広がり、「Rescue Dog Match」という里親を探すサイトでも紹介。後に「Mighty Mutts」のFacebookにて「ラナは新しい飼い主のもとで生活をスタートしました」と報告されている。
※ 画像はcitynews.caのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)