writer : namika

【テック磨けよ乙女!】南極で実験。オルニチンで睡眠が改善されるワケ。

仕事や家事の疲れは睡眠でしっかり取りたいもの。けれどなかなか寝付けない、夜中に目が覚めてしまうという人は少なくない。事実、厚生労働省によれば日本人の成人の5人に1人、つまり1500万~2000万人が睡眠に困っているという。そんな多くの人を悩ませる睡眠問題を改善するヒントは、日々の肝臓ケアにあるようだ。

「オルニチン」という成分をご存知だろうか。オルニチンは、肝臓の働きを保ち疲労回復を助けるアミノ酸のこと。もともとヒトの体の中に存在するアミノ酸で、血液に溶け込んだ状態で体内を巡っているが、肝臓では有害物質であるアンモニアの「解毒」を担っている。二日酔いに効く食材として知られるシジミには、オルニチンが豊富に含まれている。そのためオルニチンには肝機能改善のイメージが強いが、睡眠や目覚め改善にも効果があることがわかった。

このたびオルニチン研究会が、オルニチンの睡眠や朝の目覚めに及ぼす影響の試験を実施。協和発酵バイオ・学術研究企画室の西村明仁氏が、同研究について詳しくインタビューで明かしている。今回の研究に至ったきっかけは、オルチニンを飲む人たちから「眠りが良くなった」「朝スッキリ起きられるようになった」などの意見が多く寄せられたからだという。

まず平均年齢52歳、計14人の健常な中年層の男女を対象に、オルニチンを摂取するグループとプラセボ(偽薬)を摂取するグループに分け、約3週間実験を行った。すると、オルチニンを摂取したグループがプラセボのグループに比べ、疲労や眠気、だるさが改善する可能性が示された。さらにその後もさまざまなケースで実験を実施したところ、いずれの場合もオルニチンを飲んだ方が、睡眠に関する体感が改善するという結果が出たそうだ。

実験の中には、なんと南極隊員を対象に行ったものもある。南極は季節によっては一日中夜しかないような環境で、体内時計も狂いやすい。そのうえ激務のため、疲れも溜まりやすい環境である。実験では、第52次南極地域観測隊員26人に4週間ほどオルニチンかプラセボを毎日飲んでもらい、睡眠の状態を分析した。通常、日本から南極に行くと起床時の眠気が強くなるそうだが、オルニチンを摂取していたグループは起床時の眠気が大きく改善する結果となった。

そして40~60歳のサラリーマンを対象に行った実験では、オルニチンを8週間毎日摂取してもらい、プラセボとの比較を行った。すると、オルチニンを飲んだ方が起床時の眠気や睡眠時間の改善はもちろん、眠りへの入りやすさや夜中に目が覚めてしまうことも少なかったという。実験では、睡眠改善効果は徐々に上がっていき、6~7週間で非常に高い効果が表れた。継続して摂ることで、効果がより高まるようだ。

さらには、目覚めを改善する効果も期待できることもわかった。西村氏は「入眠を求めていろいろと試す場合、結果として目覚めに影響するケースも多いんです。その点、両方を改善する可能性があるのもオルニチンの特徴と言えますね」と明かす。

オルニチンは就寝前に摂取することで、睡眠の質の向上や目覚め改善にも役立つ。今睡眠に悩んでいる人、スッキリ目覚めたい人は、日々の生活にオルニチンを取り入れてみるといいだろう。

■オルニチン研究会サイト http://ornithine.jp/lp/

(TechinsightJapan編集部 七海香)

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