世界に向けて呼びかけられているシリア難民の受け入れ。ヨーロッパ各国は人道的観点から積極的な姿勢を示し、アメリカは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とともに第三国への定住に向けた支援を強化する方針だ。世界ですでに20を超す国がシリア難民受け入れを表明している中で、アイスランドからもハートウォーミングなニュースが飛び出したようだ。
キャンプ暮らしなどを強いられているシリア難民の総数は400万人を超え、受け入れを続けてきた隣のトルコもすでに飽和状態。世界各国の政府がしっかりとした受け入れ体制を整えることが急務となっている中、突然脚光を集めたのがアイスランド人の温かい心である。1万を超す一般世帯が受け入れへの意欲を明らかにし、市民の力でむしろ政府を動かそうとしているのであった。
アイスランド政府が「50名なら受け入れ可能」と表明したことを受け、先月31日、大学教授で女流作家として活動しているBryndis Bjorgvinsdottirさんが国営放送「RUV」に出演し、シリア難民を受け入れる気持ちがある人は声をあげて欲しいと市民に呼びかけたところ、彼女のFacebookに「ファミリーの一員として迎え、衣食住を共にしたい」「幼い子供を受け入れ、言葉の読み書きを教え、この国の社会に順応できるよう教育してあげたい」「うちにも幼児がいるから、おもちゃならいくらでもある」「航空チケットの代金も払ってあげますよ」といったハートウォーミングな申し出が11,000も寄せられたというのだ。
厳しい自然ゆえ、北海道と四国を合わせたほどの面積に人口はたったの33万人というアイスランド。魚や乳製品が豊富なほか男女平等における意識と満足度は世界トップと言われ、国民の多くがキリスト教徒であることに順応できるのであれば、平和なこの国への移住は悪い話ではないはずだ。あとはアイスランド政府の努力次第ではないだろうか。
※ 画像はtelegraph.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)