豪華客船による7日間の旅に出たその家族。彼らは「驚くような怖い経験をした。クルーズ会社への怒りがおさまらない」との感想をマイアミのメディアにぶつけている。1人の乗客が海に落ちたことを告げたものの、救助が始まるまであまりにも時間がかかりすぎたというのだ。
マイアミ発着の豪華客船の旅で、カリフォルニア州サンノゼから参加したキャロル・アン・ダイマスさんという65歳の女性客が海に落ちて死亡する事件が起きた。ツアーは『カーニバル・グローリー(Carnival Glory)フェリーで回る中米7日間クルーズ』というもので、参加者らは今、クルーズ会社のスタッフが見せた救助活動の遅さに猛烈に腹を立てている。その中でゲイリー・テリーさんは『CBS4/Miami』にこう説明した。
「私たちの船は19日、ホンジュラスのロアタン島から出発しました。妻や息子とともにアッパーデッキのバルコニーでイスに座っていたところ、1人の女性客が転倒したか身を乗り出し過ぎたか、船の外に投げ出されてしまったことを目撃したのです。息子はすぐにライフジャケットを海に向かって投じ、船のカスタマーサービスに電話したのですが応答がなくて。4~5回目でやっと繋がったのです。その瞬間はホッとしたのですが、何の反応もありませんでした。」
「早くボートを止める必要があるのに、女性客が落下したポイントからどんどん離れていく。まさにパニックでした」と息子のデールさん。彼はカスタマーサービスとの通話がスムーズに行かなかったことの原因について「きちんと英語を話せる、理解できるスタッフが少なかったからではないか」と話す。3~4回ゆっくりと説明することで、やっと“1名が海に落ちた。船はそのポイントまで戻り、早く救助してあげてほしい”ということを理解してもらったという。船が方向転換するまで45分、救助のボートを出すまで1時間以上もかかり、残念ながら命を助けることは叶わなかった。
クルーズ会社は謝罪の意味でその船の乗客全員に割引券などを発行したが、この事件は大きなトラウマを残してしまったもよう。「セキュリティーが厳しいことで知られる豪華客船なのにお粗末。14歳の娘はもう二度と乗りたくないと言っています」とゲイリーさんは語っている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)