なぜか真冬に自然な降雪が少ない北京で開催が決定した「2022年冬季オリンピック北京大会」。経済力を武器にすべてにおいて我々が中心に立ちたいといった野望に批判が集まっていたが、このほどは招致テーマソングにおいてパクリ問題が浮上した。
先月31日、国際オリンピック委員会(IOC)は2022年冬季五輪の開催地として北京市と河北省の張家口市を選んだと発表した。そこで話題になったのは、中国が5月にリリースした五輪招致テーマソングのひとつで、歌手のSun NanさんとTan Jingさんが美しいハーモニーを聴かせる“氷雪舞動”という歌。これがディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』の主題歌“Let It Go”のパクリではないかとして、今や各国のメディアが大きく報じている。
「中国の商業文化はパクリ精神に支えられてきた。金になる、人気だと聞けば同じものを作ればよいと思っている。プライドや良識はなどと問い詰めたところで聞く耳すら持っていない。」
これが多くのアメリカ人の意見だといえる一方で、中国人も微博(ウェイボー/weibo)などに意見をぶつけている。「雰囲気は似ているけれど完全に同じではない。これくらいOKだろう」、「とてもきれいな曲じゃないか。アメリカ人のイチャモンになど構ってられない」といった意見が目立つ。
曲が盗作であるか否かについて、以前は4小節以上同じメロディーだとクロという判断基準があったが、近年はもう少し細分化され、かつ判定が厳しくなっているもよう。イントロの構成、使用された楽器とその生かし方、曲の長さ、リズム、速度、長調・短調といったメロディーラインの構成などで決まるという。著作権を知的財産として徹底的に守る法律を設けているアメリカでは、第一印象で「パクリじゃないの?」と言われるような曲はことごとく裁判に持ち込まれ、勝つケースも多い。偽iPhone、偽ミッキーマウスのぬいぐるみ、偽COACH、ことごとくパクリ商売を成功させてきた中国人。仮にこのたびの件が裁判に持ち込まれたとしても、著作権に関する法の整備が追いつかないこの国とアメリカとでは激しい温度差が露呈するにちがいない。
こちらはYouTubeに『Jack Sze』さんが投稿した、両者を比較するためのマッシュアップ動画である。あなたの耳にこの2つの曲はどう聴こえるであろうか。
※ 画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)