お化けが出るなどと言われている廃墟と化した空港を、このほど中国人投資家グループが買い取った。いったい何を考えているのかとスペイン人も首をかしげていたようだが、彼らは将来のビジネス展開を見据えた上で真剣に購入を決めたようだ。
スペイン・マドリードの南に位置する、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の「シウダ・レアル・セントラル空港(=ドン・キホーテ空港)」。シウダ・レアル県は高速鉄道AVEによりマドリードへの通勤圏として発展を遂げており、空港は2008年に開港して2年後には国際空港として年間200万人以上の利用客を見込んだが、業績は振るわず2012年に閉鎖となっていた。
建設に10億ユーロ(約1350億円)を投じたもののすっかり廃墟と化し、“ゴースト・エアポート”などと呼ばれていた同空港は、破産申し立てにより昨年からオークションにかけていた。だが誰も興味を示さないことからひたすら値下げを強いられ、このたびもそう多くの入札者がないまま、たったの1万ユーロ(約135万円)で中国人投資家の手に渡ったことを欧州の複数のメディアが伝えている。
同空港を購入したのは、『Tzaneen International』社の傘下にある中国人共同投資家グループ。彼らの代表はその理由について、「欧州のマーケット展開を考える上で貨物輸送の重要な中継ポイントとなりそうです。アジア、特に私たちの国からの貨物を一旦そこに運び込むことになるでしょう」とスペインのメディア『Europa Press』に語り、空港施設の再建に努めるとしている。なお、すでに破産した同様の小規模空港がスペインには複数存在するという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)