20日の夜9時頃、台北MRT（地下鉄）の中山駅構内で、通行人4人が果物ナイフを持った男に切りつけられる事件が起きた。幸い4人は命に別状はないという。通報を受けて駆けつけた警備員と駅長は、犯人の男に対してナイフを捨てるように説得した後、その場で取り押さえた。

『蘋果日報』によると、事件があったのは台北MRT中山駅4番出口付近。デパートの前ということもあり、人通りが多い。事件を目撃した人々が「殺人だ！　そっちへ行くな！　逃げろ！」と走りながら叫び、駅に繋がる地下街やデパートの入口付近は一時パニックに陥った。

警察の調べに対して、犯人の男（27）は「ずっと失業状態で社会に不満があった。ムシャクシャしていた」と供述している。男は幼い頃に両親が離婚し、母親は病死。その後は叔母の家で暮らしていたが、仕事を探しに行かないことで小言を言われ続けていたという。また事件当日は、男の27歳の誕生日だった。

被害者は女性3人、男性1人。それぞれ鎖骨や背中などを1センチ前後切りつけられて病院へ搬送されたが、すでに退院している。
（TechinsightJapan編集部　片倉愛）