writer : sekihara

キリン『パーフェクトフリー』でダイエット? 「機能性表示食品制度」のメリットを活かし、“味覚”と”機能性”で勝負。開発者を直撃してみた。

サントリー、アサヒ、サッポロなど大手飲料メーカーから販売されているノンアルコール・ビールテイスト飲料。店頭でもいくつもの商品が並び、どれにしようか迷う人も多いのではないか。数日前にキリン『パーフェクトフリー』を飲み、“これはイケる!”と美味しさに確信を持った記者は、その秘密を探るべく、早速キリンビール株式会社を訪れてマーケティング部 商品開発研究所の川崎篤史さんに話を聞いた。

■機能性飲料の味は日進月歩。「機能性表示食品制度」で直近まで作り込む。
――私も『パーフェクトフリー』を先日飲んだのですが、6月中旬に発売されてから、実際に飲まれた方の反響はいかがですか。
川崎篤史さん(以下、川崎): おかげさまで反応はいいですね。特に1本目を買っていただいた方の満足度が高いです。8割以上の方が継続して購入したいという感想を持っております。味覚については、ビールらしい苦味、スッキリとした爽快感、食事に非常にあわせやすいという評価をいただいています。実際に他のノンアルコールビールとブラインド調査(目隠しをして試飲する調査)をしても、味覚に対して評価が高いです。

――なるほど。確かに以前に飲んだものよりも美味しく感じました。
川崎: 機能性飲料の味覚は日進月歩なのです。5年前、10年前の機能性ビールは味が水っぽかったのですが、『パーフェクトフリー』はお酒のベースとして「のどごし<生>」と同じように大豆たんぱくを使っています。この大豆たんぱくですと、スッキリと爽快な味覚でありながらもビールらしいコクがあります。

――機能性飲料の味覚は確実に進歩してきているのですね。ほかに美味しくなった要因はありますか。
川崎: こちらは今年の4月にスタートした「機能性表示食品制度」を利用した商品なのですが、トクホ(特定保健用食品)とは(発売されるまでの)スピードが違います。トクホは国の承認なので、年単位の時間をかけて調査費用も多く使って認可を得ます。一方、「機能性表示食品制度」は届け出をすれば最短60日後に発売できます。(国の認可ではなく)企業の責任によるものなので必要以上に調査費用もかかりませんし、スピーディーです。さきほどもお話しましたように味覚は日進月歩ですが、今の段階で一番クオリティが高いものを最短でお届けできるわけです。ここが「機能性表示食品制度」の最大のメリットですね。「機能性表示食品制度」で直近まで作り込まれた味覚と、トクホの2、3年前に作った味覚では差が出てきますので、そこをお客様に実感していただいているのかなと思います。

キリン『パーフェクトフリー』は「機能性表示食品制度」を利用した商品

■脂肪と糖に嬉しい作用が。健康意識が高い人に。
――その機能性は『パーフェクトフリー』の場合、どのようなものでしょうか。
川崎: 難消化性デキストリンという食物繊維が含まれています。これはトクホでも、非常に広く実績のある成分です。飲んで痩せるということではないのですが、脂肪の吸収が抑えられ、糖の吸収をおだやかにします。

――すると、単に食事をするよりも、『パーフェクトフリー』も一緒に飲んだ方がダイエットには良いということですか?
川崎: 太らないとはなかなか言えませんが、難消化性デキストリンが入っていないものを飲むよりも、脂肪の吸収が抑えられたり、糖の吸収がおだやかになります。テレビCMでも、蒼井優さんがお肉とピザを食べていますが、美味しいものには糖や脂肪が含まれていますので、そういったものも気兼ねなく楽しめるかなと思います。ノンアルコールビールを飲まれる方は日頃健康意識が高い方が多く、ダイエットや糖分などを気にされている方が多いのです。実際に『パーフェクトフリー』を購入した方に理由を聞いてみますと、ノンアルコールだからというものの次に、脂肪・糖に対するこの新しい機能が挙げられています。

――そうすると、アルコールを摂りたくないときだけでなく、健康志向により選ぶ方も多いのですね。
川崎: はい。幅広いシーンで飲んでいただきたいですね。ビールだとちょっと飲みづらいとき、ランチに昼からビールはちょっと気が引けるというときや、明日のことを考えてアルコールで体に負担をかけたくないとき、主婦の方でもご飯を作りながら気軽に飲んでいただいたり…。TPOに合わせて飲んでいる方が増えているようですので、さまざまな新しいシーンにマッチして展開していくものと考えています。

ノンアルコール・ビールテイスト飲料というと、アルコールを摂れないときの代替品というイメージがあった記者だが、今回の取材によってそれが一変した。体に嬉しい機能が追加されたことにより、あえてこちらを選ぶという人が増えてきそうだ。まして味も遜色ないとなれば今後、その傾向はますます強まるのではないか。これまで“ビール腹”と揶揄されていた男性も、これでメタボにサヨナラできるかもしれない。これからも日進月歩で美味しくなっていくノンアルコール・ビールテイスト飲料市場から目が離せない。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)