京都の鴨川に面した室内カフェで、ジャズの生演奏を聴きながらワイン片手に上質なチョコレートを楽しむ。そんな贅を尽くした“サマーバレンタイン”イベントが、毎週金・土曜日に期間限定で開催中だ。そこには新しいチョコレートの楽しみ方を広めたいというコンセプトがあるようだ。

このイベントは、こだわりのチョコレートを提供する『サロンドロワイヤル京都本店』が開催するもの。七夕を目前に控えた7月4日にはジャズの生演奏に加えて、特別にファッションと花という異なるジャンルの企業も共同開催者となり、異業種の融合という新しい試みが行われた。当日は生憎の雨となり、川床スペースではなく室内カフェのみでの開催となったが、抽選で招待された数十名のゲストたちが非日常的で優雅なひとときを味わった。

京都ジャズ界を牽引してきたジャズピアニスト・西山靖夫さんの生演奏が始まると、ゲストたちはシャンパンやワインを片手に優しい歌声に聴き入った。名曲『As Time Goes By』など数曲を披露した後は、西山さんの娘でジャズヴォーカリストの村木舞さんも加わり、アットホームな雰囲気のステージとなった。その後のファッションショーでは、七夕の織姫と彦星にちなんで10組の男女が最新のリゾートファッションに身を包んで登場。スイーツのショーケースの前に敷かれた、天の川のようなホワイトカーペットの上を腕を組み歩く。実はモデルは男女とも一般の若者たち。少し照れくさそうに男性が女性に花をプレゼントした後は、指でハートを作るペアや踊りを披露するペアなど、それぞれのアイデアで和やかな笑いを誘っていた。

このイベントの主催者のひとりであり、会場にもなった株式会社サロンドロワイヤルの代表取締役・前内眞智子氏に話を聞いた。今回のイベントを開催したきっかけについて「サマーバレンタイン、つまり日本の七夕なのですが、それにちなんで皆さんに喜んでもらいたいと思ったのです」と語る。今年の2月からこの企画を温めてきたそうだ。

前内氏の「皆さんに喜んでもらいたい」というこのおもてなしの精神は、今回のイベントだけでなく自社のチョコレートにもあふれている。「京都から新しいチョコレートの楽しみ方を発信したい」と語る前内氏は、京都という土地にこだわり、人気商品『ピーカンナッツチョコレート』のパッケージに和柄の羽裏（羽織の裏）の柄を使用、洋と和を融合させた。また5月から9月に鴨川の川床でせせらぎの音を聞きながらスイーツを楽しめるカフェを展開。川床でスイーツを提供する店は非常に珍しい。大葉やミョウガなどの和テイストをチョコレートに加えた商品もある。

商品も品質や美味しさにこだわり、世界トップクラスを実現している。2013年ワールドチョコレートマスターズ日本代表に選出されたシェフパティシエ・垣本晃宏氏を筆頭に6名が腕をふるう。上質のものを提供するため商品管理も徹底しており、チョコレートセラーと同じ17度に保たれたショーケースの中で、まるで美しい宝石のように整然と並ぶのは、人気商品のひとつ『ボンボンショコラ』シリーズだ。冷蔵庫の温度では冷えすぎてしまい、チョコレートを口に入れたときに硬すぎてしまうため温度管理も重要だという。実際に食べてみると、表面はしっかりとしていて輝きもあるが、口に入れた瞬間に中身がまろやかにとろけていく。中は液状ではないのだが、チョコレートがすっと口の中に広がり驚く。たとえば半球体のボンボンショコラは、表面のテンパリングをできるだけ薄くし、中味のガナッシュの配分などにこだわり生まれたものだ。表面の輝きが少しでも曇れば廃棄するという徹底ぶりだ。

その『ボンボンショコラ』をはじめチョコレートの新しい楽しみ方を前内氏がすすめている。「シャンパンやワインとチョコレートは実はとても合うのです。日本ではまだ馴染みがないと思いますが、この楽しみ方をぜひ伝えたいのです」と前内氏。同店の期間限定のサマーバレンタイン企画では、ジャズの生演奏とともにショコラプレートとワインが用意されており、店内でその楽しみ方を体験することができる。また通常イベントに加えて舞妓さんがもてなす企画も。楽天市場で2014年に手土産スイーツ部門グランプリを受賞したオンラインショップでは、このペアチケットを抽選でプレゼントする。「物プラス日本の良さをチョコレートと一緒に京都から発信していきたい」「居心地の良い空間を提供したい」と熱を込める前内氏の“チョコレート×京都”という洋と和のコラボレーションを軸にした上質な“おもてなし”は、まだまだ続きそうだ。

■サロンドロワイヤル　http://www.s-royal.com/
■サマーバレンタイン企画　http://www.s-royal.com/fs/sweets/c/smv
（TechinsightJapan編集部　関原りあん）