ファストフードレストランの店内で母親が赤ちゃんに授乳する。母親が胸元をケープなどで隠すことができていれば何ら問題はないという国がほとんどである。だがこのほどアメリカのKFCで、そんな1組の親子が店舗から追放された。なぜなら…。
ミシシッピ州のとある「ケンタッキーフライドチキン(以下KFC)」でこのほど、ある親子が店舗から無理やり追い出される事件が起きた。リンダ・バレティさんという76歳の母親が客席でいきなり胸を出し、42歳の息子マイケルさんになんと“授乳”を行ったのだ。この一件は人々の大きな関心を集め、「女性に対する人権侵害だ」、「公共の場であり得ない行為」、「変態親子」などと物議を醸している。
注意した従業員に対し、「愛する息子に母乳を与える権利が私にはあります。授乳は母親としての素晴らしい務め、それにより私は息子をここまで大きく立派に育て上げたのです。それを侮辱するなんて、あなた方には大きな問題があります」と食い下がったリンダさん。しかし居合わせた人の中にはポルノ、あるいは近親相姦を見ているような気分にさせるといった意見もあり、ある種の性的嗜好を思わせる常識の範囲を超えた行為だとして店側はその主張を受け入れなかった。
これは大変な差別だとして、ついにKFCを相手取って訴訟を起こしたリンダさん。ある法律家は「1976年から公共の場での授乳が正式に認められており、その行為を邪魔した者には大変な罰金が科されます。裁判で勝つのは彼女でしょう」とコメントしている。確かに母乳を与えるのは何歳までといった規制はない。だがKFC側は周囲の客が感じ取ったという“不愉快な気分”を盾にとってくるであろう。裁判の行方に関心が高まっている。
※ 画像はilykefunny.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)