2010年2月、ミシェル・オバマ米大統領夫人が“アメリカから太り過ぎの子をなくそう”と肥満撲滅のためのキャンペーンを掲げて以来、子供たちの給食がヘルシーメニューへと様変わりしている。だが弁当持参の子の場合では、その流れについていけないという母親も多いようだ。
このほどコロラド州オーロラ市にあるプリスクールで、ランチ騒動が起きた。オレオ(OREO)ビスケット数枚が入ったランチバッグを持ってきたナタリーちゃんという4歳の女の子に教師は渋い顔を見せ、それを取り上げるとハムとチーズ入りのサンドイッチにストリングチーズを差し出した。そしてそのランチバッグに母親宛の説教めいた手紙をしのばせ、ナタリーちゃんに持ち帰らせたのである。
その手紙には、“大切なお子さんのためにもランチの栄養価を考えてあげてください。今、オーロラ市の学校ではランチタイムに牛乳、果物、野菜、健康的なおやつを摂らせようとヘルシーランチ・プログラムを励行しています。ジャガイモを持たるならパンも添えてください。ただしLunchables、チップス類、フルーツ・スナック、ピーナッツバターなどは健康的なランチとは言えません。このプログラムに対するご理解、ご協力をどうかお願いします”とある。
Lunchables(ランチャブルズ)とは数ドルで販売されている“携帯ランチ”で、封を開けるとクラッカーにチキン、ターキー、ハムやスナック菓子、フルーツなどが1食分詰まっているものだ。ただし、食品添加物が多く使用されていることは有名である。
ナタリーちゃんの母リーザさんはデンバーのメディア「KMGH-TV」にこの件を持ち込み、不快感をあらわに「まったく受け入れられません。学校は娘たちのために昼食を提供してくれないじゃないですか。その点私はちゃんと娘にランチバッグを持たせているんですよ。娘の健康面の心配だなんて、私はお医者さんに相談していますから結構です」と語っている。
今年1月にはミズーリ州で、町のファミリードクターとして評判の高い男性が娘にチョコバー、マシュマロ、リッツ・クラッカー、ピクルスというランチバッグを持たせて教師から説教めいた手紙を受け取り、Facebookに怒りをぶつけていた。「私が子供の頃なんてランチバッグはお菓子だらけ。ピーナッツバターサンドが入っていれば上出来だった」という人は多く、急激な意識の変革を迫られても戸惑う親が多いのが現実である。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)