乗客乗員239名を乗せたまま忽然と姿を消したマレーシア航空370便(MH370)の謎の失踪事件。すでに1年が経過し、捜索も絶望的と言われていた中である航空専門家から興味深い発表があったもよう。ベンガル湾で発見された漂着物がMH370のものである可能性が高いというのだ。
2014年3月8日にマレーシアのクアラルンプールを飛び立ち、中国・北京に向かうはずであったものの、レーダーから姿を消してしまったマレーシア航空370便のボーイング777型旅客機。マレーシア政府は「墜落して搭乗者は全員死亡したものと推定する」と発表し、捜索も断念せざるを得ない状況が続いているが、航空専門家や民間ボランティアは通信衛星による移動体通信事業を提供する「インマルサット・サービス」を利用するなどして、いまだ地道な調査と捜索を展開していた。
英メディア『ibtimes.co.uk』が伝えているところによれば、MH370失踪事件を解明しようと懸命であるイギリス人元パイロット、アンドレ・ミルン氏がこのほど興味深い発表を行って注目を集めているもようだ。
「墜落したMH370の残骸と思われる漂着物が、ベンガル湾で確認されました。モルディブ諸島の上空を低空で旋回している様子が目撃されていたことから、ベンガル湾は視野に入れるべきエリアです。かつてもバングラデシュの沖合でこうした情報が上がっていましたが、豪州交通安全局 (Australian Transport Safety Bureau)が否定して以来、ここではきちんとした捜索がなされていません。」
そしてミルン氏は、「私の率いるチームがこのエリアで本格的な捜索を開始する場合、水中の音波を頼りに海底の物体を探知するソナー装置、遠隔操作式水中探査機、あるいは自律型水中ロボットを駆使するため、2億3000万円以上の経費が必要になります。皆様の寄付金をお待ちしています」とも述べている。ベンガル湾の面積はなんと2,172,000キロ平方メートル。藁にもすがりたい思いの搭乗者の家族がこの情報にどれほどの信頼と期待感を寄せるものか、注目が集まっている。
ちなみに航空業界最大の謎と言われるこの事件に関しては、これまで南シナ海での米・タイ合同軍事演習に巻き込まれて対空ミサイルで撃墜されたという説、第二の“米同時多発テロ事件”を企てているテロリストが飛行機ごと奪ってどこかへ逃げたという説、ザハリ・アフマド・シャー機長が、マレーシア野党・人民正義党首アンワル・イブラヒム氏の同性愛に有罪判決が下ったことに激怒し、乗客乗員らを道連れに抗議の自殺をはかったという説などが浮上している。
※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)