writer : techinsight

銀行の窓口営業時間に新社会人の9割が不満。“15時まで”の常識は変わっていく?

近年、さまざまな業種で営業時間が拡大されているようだ。たとえば朝早くにホームセンターで買い物、残業で遅くなった帰りがけにスーパーマーケットで夕食を調達、そして就寝前にスポーツジムで体を鍛えるなど、私たちの多種多様なライフスタイルに応えられるようになってきている。一方、従来の姿勢を崩さないのが“銀行”ではないだろうか。銀行は一般的に15時までという他には見られない異例の早さで窓口営業時間が終了してしまう。ある調査では、実に9割以上の人たちが、この営業時間に不満を持っていたという。

なぜか15時という早い時刻に窓口営業が終了してしまう銀行。これは以前からのスタイルのため、特に不満を持たない人もいるかもしれない。しかし、この春に新社会人になる人たちに実施した調査によると、なんと9割以上の人たち、つまりほとんどの人が銀行の窓口営業時間に不満を持っていることがわかった。社会人になれば平日の15時までに銀行に行くのは難しいことが容易に想像でき、不満を訴える感情も理解できる。

しかし、この“常識”にとらわれず、顧客サービスに積極的に取り組んでいる銀行があることにも注目したい。先日、元AKB48でタレントの篠田麻里子を“一日サポーター”として迎えたりそな銀行だ。篠田麻里子が支店の受付で案内係を務めたり、りそな銀行のLINEスタンプ開発会議に出席した様子が話題になった。

このりそな銀行の大きな特色のひとつが、全店で窓口営業時間が17時までということだ。営業時間が長い方が利用しやすいのは当然のこと。このサービスは好評で、実際にこのメリットが気に入ってりそな銀行に口座を作った人もいるほどだ。なかには19時まで営業している店舗もあり、さらに年中無休で営業している「セブンデイズプラザ」という店舗もある。

また、銀行への要望として多いのが『待ち時間の短縮』だという。りそな銀行では、来店時に総合受付で用件を聞くことで、最適なブースに案内するため無駄な時間を作らない。また、振込や税金・公共料金の払込みは専用ATMを併設した「Quick Navi」で対応可能だ。同行営業サポート統括部の村木さんは、「詳しくは企業秘密なのですが、システムと導線の二つの組み合わせから方程式を解くことによって、大幅に待ち時間の短縮が可能となりました。第三者機関からの評価でも、この点が高く評価されています」と語っている。

このような顧客への努力が認められて、りそな銀行は、日本経済新聞社・日経リサーチの「第10回銀行リテール力調査」総合ランキングで第1位を獲得した。これにより個人向けサービスの評価で日本一の銀行になったわけだが、金融商品の説明や接客姿勢などで高い評価を受けたそうだ。利用者もそのあたりの銀行の姿勢は感じ取っているのだろう。

りそな銀行は「第10回銀行リテール力調査」で第1位を獲得

これまで当たり前だと思われていた銀行の営業日や営業時間だが、すべての銀行が同じではなかったのだ。17時までの窓口営業はまだ少数だが、これからも利用者の声に耳を傾けて、良い意味で常識を打破するような、さらなるサービスの充実を期待したい。大切なお金のことでお世話になるのだから、どこでも同じだから…ではなく、さまざまなサービスを吟味して気持ちよく利用できるところを選びたいものだ。

【参考】 http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/kojin/mp/landing.html
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)