カリフォルニア州サンディエゴで、ある町の道路に巨大な熱気球が舞い降りた。結婚式のアトラクションとして8人の客を乗せて飛び立ったものの、上空で方向をコントロールできなくなってしまったという。
空から突然、巨大な熱気球が舞い降りたのは米カリフォルニア州サンディエゴのソレント・バレーという町で先月29日夕方のこと。付近にはガソリンスタンドや工場、店舗といった商業ビルが並び、太い道路が数本交差。駐車場にはたくさんの車が停まっている中での危険きわまりない不時着、とんだお騒がせであった。熱気球はある結婚式のパーティのために準備された、『Magical Adventure Balloon Rides』社のアトラクション。バスケットには8名の客が乗っており、どうにか着陸するも地元メディアがカメラを構えて押し寄せ、誰もが強張った表情で熱気球から降りている。
パイロットはその道25年のベテランで、7,000回の操縦経験を持つフィル・ブラント氏。彼はメディアのマイクに、「本来の行き先はランチョ・ペナスキートス(10kmほど北東)でしたが、あまりにも風向きが異なり、乗って20分でそれを諦めざるを得ませんでした。安全な着地点を模索した結果、人や車の気配のないラスク・ブルバードに狙いを定めました。送電線や建物との接触も大変怖いことです」などと話している。
実はこの町では過去に熱気球の墜落事故が1度起きており、ブラント氏も「軽微なトラブルは幾度も発生しています。道路への不時着なんて何百回と経験していますよ。人の敷地に侵入したり建物を壊したりするより、道路に降りる方がよほど安全なのです」と語る。こうした事態に住民らはかねてからの不安を訴えており、『Magical Adventure Balloon Rides』社はこのたびの件につき、ブラント氏の話をもとにアメリカ連邦航空局に報告する義務を負っている。
近くで見ると大変な迫力に圧倒される熱気球。LPガスを燃料に、バーナーはゴーゴーと大きな音を立てながら気球に熱風を送り込んで浮力を生じさせる。操縦はその技能資格を持った者が行い、バーナーの燃焼に強弱をつけることで上昇・下降をコントロールし、排気装置で熱気を下げることにより大きく下降することができる。だが進みたい方向に風が吹いているところに熱気球の高さを合わせるなど、方向のコントロールは非常に難しいという。
※ 画像はnbclosangeles.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)