今月8日、リオデジャネイロからフォルタレザに向けて飛び立ったTAM航空エアバスA321型機が、出発直後に乱気流に巻き込まれてしまった。乗客らに“恐怖の45分間”と称されたこのフライト。飛行機は雷やひょうに見舞われ、出発から約3時間後にリオデジャネイロに戻る羽目となった。
ブラジル紙『O Povo』によると、飛行機は17時過ぎにリオデジャネイロのアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港を離陸。しかしその直後、乱気流に巻き込まれて雷が機体に直撃した。それにより機首に内蔵されている気象レーダーが破損してしまった。
また、乱気流の中で発生したひょうがコックピットの風防を破壊。機内客室の酸素が外に流出する危険が生じてしまうことから、回避策としてパイロットは高度約5300メートルという低空飛行を保つことを余儀なくされることとなった。
だが、この悪天候は続くことが予測されたため、パイロットはリオデジャネイロに戻ることを決意。出発から約3時間後の判断であった。アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港に無事着陸した際には、乗客の間からパイロットを称える拍手と歓声が沸いたという。
ある乗客の証言によれば、飛行機が乱気流に巻き込まれていた約45分間、何一つ情報や案内を知らされることなくリオデジャネイロに戻った後に初めて事態を知ったそうだ。そのためこのフライトは彼らにとって“恐怖の45分間”だったという。だがこうしたアクシデントにもかかわらず、乗客は全員怪我もなく無事であった。
しかし今回の事故について、インターネット上では「パイロットは少しでも危険性のある乱気流は避けて飛ぶべきではなかったのか」といった疑問や批判が噴出している。
※ 画像はopovo.com.brのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)