海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】肥満大国のイギリス、「太って体を壊したから働けない」に次々と障害者生活手当。

「肥満も極めれば役所に泣きつく武器にもなる」。イギリスでは今、ドキュメンタリー番組『Benefits:Too Fat To Work』に出演したデヴォン州プリマス在住のある新婚カップルを巡り、そんな声が飛び交っているという。

この画像は英メディア『cornishguardian.co.uk』が伝えているその記事のスクリーンショット。左の女性はミシェル・クームさん(43)で体重は146kg、働いた経験はない。右の電気モビリティスクーターに乗っている男性は、体重197kgのスティーヴン・ビールさん(45)。過去に5度結婚に失敗し、2008年に脳卒中に見舞われて経営していたクリーニング会社をたたみ、その頃から食欲に歯止めがきかなくなった。ここ5年間、労働とは無縁である。

2人は本来働き盛りという40代でありながら、この超肥満体ゆえに障害者生活手当(Disability Living Allowance)で暮らしている。「代謝性疾患、肥満、糖尿病、高血圧の治療を受けている上、肥満への偏見か仕事が見つからない」と陳情する2人に、自治体の福祉事務所は毎度「その体では大変でしょう」と返答。こうして彼らは1か月あたり合計約36万円の手当を受給し、数分間も立っていられないというスティーヴンさんは入浴介助など年間144万円相当の介護サービスを受けている。

だが『Benefits:Too Fat To Work』のテレビカメラが2人の結婚式に潜入した際、突然の悲劇に見舞われた。息切れが目立つスティーヴンさんが体調不良を起こし、式の最中に救急車で病院に搬送されたのである。このカップルは「痩せた方がいいのでしょうが、それで保障を打ち切られてしまうのはちょっと…」と非常に歯切れが悪かった。

なお、英・労働厚生省は昨年の障害者生活手当受給者の数について、5年前の2倍以上に膨れ上がっていることを発表していた。このカップルにスポットが当たったことにより、彼らのように超肥満体を働けない理由として認められた人々の割合が予想以上に多いのではないかと波紋を広げている。肥満大国で、しかも健康保険制度が大変充実しているイギリス。「行政がそうした人々に甘い顔をしていたら、わが国はこの先どうなっていくのか」と厳しい声があがっている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)