米カリフォルニア州の複数のメディアが今、19歳の女性が友人からもらった薬を服用したことにより、全身に大変なダメージを負って集中治療室にいることを伝えている。医薬品ではよく問題となる薬疹。決して侮れないようだ。
この画像は米メディア『americanlivewire.com』が伝えているその記事のスクリーンショット。ヤスミーン・キャスタナダさんというカリフォルニア州在住の19歳の女性は先月下旬、全身に火傷を負ったようなひどい発疹が出たことで病院に救急搬送され、薬疹として恐れられている「スティーブンス・ジョンソン症候群」と診断された。医師は壊死した皮膚をすぐに切除してしかるべき治療を行ったが、数日間のうちに症状がさらに悪化し、カリフォルニア大学アーバイン校の熱傷専門ユニットに移ることに。人工呼吸器をつけ、点滴での人工栄養と電解質のバランスを保ちながら治療が続いているが、ヤスミーンさんの足に次々と新たな水ぶくれが生じていることが問題となっており、小さな赤ちゃんが待つ自宅でクリスマスを過ごせる見通しは立っていないという。
感謝祭であった11月27日、風邪気味で体調不良を訴えるヤスミーンさんに友人が「風邪の時に飲む」という抗生物質を1錠差し出したという。それを服用したところヤスミーンさんの皮膚は徐々に赤くなり目が充血。口内や鼻腔が焼けるような感覚に襲われ、全身火傷のような状態に陥ったそうだ。たった1錠の薬により命の危険にさらされているヤスミーンさんの痛々しい姿は、安易に薬を服用しないよう十分な注意が必要だとして波紋を広げている。
「スティーブンス・ジョンソン症候群(=皮膚粘膜眼症候群)」は極めてまれに起きる深刻な薬疹で、痛みを伴う皮膚の症状は熱傷さながらだが、さらに恐ろしいのは体の内部の粘膜を強く破壊してしまうということ。ヤスミーンさんの担当医師も「彼女は全身の70%にダメージを受けている状態です」と話している。ニューヨークにある「マウントサイナイ病院」皮膚科のジョシュア・ゼイシュナー医師は、この件について『ABC News』の取材に「抗生物質が原因となる場合がほとんどですが、同じ薬を飲んでも何も起きない人もいれば、胃腸障害や発疹を訴える人もいます。そして極めてまれにこのスティーブンス・ジョンソン症候群を起こす人がいます。残念ながらこうした薬疹は予測不可能で、市販の風邪薬でも医師の処方に従って飲んだ薬でも起こり得ます」と語っている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)