海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「ドイツに暮らし公務はネットで」のガーナ・バンサー王。泥棒に入られとんだ被害。

インターネットの環境さえ整えば、ドイツに暮らしていても祖国とのふれあいは持てる」が常套句のガーナ共和国エウェ族のキング・バンサー。彼は今、祖国の人々とSkypeでつながっているという。しかし…。

1年に何度か西アフリカの祖国に飛んで重要な公務にあたるものの、ドイツ人女性と結婚して生活の拠点をドイツとし、自動車整備の仕事をこよなく愛する実に変わったキング(部族の首長)がいる。ガーナ共和国・エウェ族のキング・バンサー(King Togbe Ngoryifia Cephas Kosi Bansah=66)の話題をお伝えしたい。

彼は視野を広めるためという20代前半での留学ですっかりドイツに惚れこみ、ガブリエルさんというドイツ人女性と恋愛結婚し、ラインラント=プファルツ州ルートヴィヒスハーフェンで家庭を築いていた。1992年にキングを継承してもドイツでの暮らしを望み、大好きな自動車に関わる仕事をやめず、自宅の2階で世界からの国賓・公賓を接客し、インターネット、電話、ファックスを利用して祖国の公務および部族間の紛争解決などにあたってきた。

そんなキング・バンサーはこのほど英紙『タイムズ』に、最近自宅に泥棒が入り、1987年に他界した先代から譲り受けた4つの王冠ほか宝飾品をキャビネットから盗まれていたことを明らかにした。「王冠の価値や被害額云々ではない。家族や国にとってかけがえのないものを失ってしまった」と語るなど、ひどく肩を落としている。ただしキングは現在、祖国のホホエ一帯に20万人ほどいるといわれるエウェ族の人々とSkypeを通じてつながっているというから、おそらくは数々の温かい言葉に慰められているのであろう。

先進国に暮らす者として享受したことや知識を生かし、ガーナを売り込むために積極的なメディア露出を心がけ、慈善活動にも熱心なキング・バンサー。祖国のインフラ整備、水の浄化システムの導入、医療援助、経済的援助を忘れない彼は、エウェ族に限らずガーナ人の間で大変な人気を誇っているという。

※ 画像はindependent.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)