飛行機の旅については、「窓際に座らない限り外はよく見えない」と言う人は多い。だがこれからの時代は違う。全面ガラス張りのごとくパノラミックな景色を楽しめる、そんな旅客機が近いうちにデビューするそうだ。
15日、「Centre for Process Innovation(略称:CPI)」という英国のテクノロジー開発企業が、“Aerospace Windowless Aircraft - The Future Inspired by CPI”というタイトルで1本の動画をYouTubeに投稿。彼らが開発したテクノロジー技術を採用した新スタイルの旅客機が10年以内にも現実のものになると約束し、メディアがこぞって紹介。大変な話題となっている。
これからの旅客機は“ウィンドウレス、パノラミックでフルスクリーンな外の景色を存分にお楽しみください”というそのコンセプト。離陸や着陸の際に見下ろす市街地のまばゆい光は、ヘリコプターに乗っている気分にさせるに違いない。機体の胴体構造部分について大きなガラス張りが可能になったのかと想像してしまうが、そうではない。窓をなくし、最新テクノロジー技術を駆使して開発された特殊パネルが客室を大きく包み込み、巨大スクリーンの役目を果たす。機体外側の数か所に設置されたカメラがとらえた外の光景を、スクリーンにリアルタイムに映し出すという仕組みだ。
「有機発光ダイオード(Oled)がそのハイビジョン化を可能にします」と解説するCPI。また映像スクリーン機能だけに終わらず、客席の真横はタッチするだけでコンピュータ機器に早変わり。離着陸の際にも遠慮なく使用できるのだ。こうしたことは乗客に大きな満足感を与えるが、機体の軽量化も実現するため燃料の節約が図れるとのこと。日進月歩という航空宇宙産業の発展にも、“手つかず”感が否めなかった旅客機のウィンドウ。高所恐怖症の人には申し訳ないが、「実現がただ待ち遠しい」との声が続出している。
※ 画像はuk-cpi.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)