どの学校の理科室にもあるヒトの体の骨格をリアルに伝える「骨格標本」。もちろん模型である。だがルーマニアのある小学校は違った。偉大なる元校長のすべての骨が寄贈され、飾られているというのだ。
この画像は英メディア『metro.co.uk』が伝えているその記事のスクリーンショット。ルーマニア・プラホヴァ県のPuchenii Mosneniにある小学校では、1960年代に他界した元校長Alexandru Grigore Popescu氏の本物の骸骨をガラスケースに入れ、理科室に展示しているそうだ。
これは、50年にわたり大変な数の児童に理科を教えて来たPopescu氏の遺志によるもので、Popescu氏はその小学校を退職する際、「教育に役立つようであれば、自分が死んだらすぐに埋葬せず、すべての骨をここの理科室に展示してもらいたい」と語っており、それが実現したのであった。
この話が明るみに出たのは、情報を聞きつけたプラホヴァ県保健当局が最近その小学校に調査に入り、骸骨を押収してしまったことにあった。だがすべての検査を経て「この骸骨の展示は衛生面でも安全面でも問題なし」と認められ、最近になって再び小学校の理科室に戻されている。
現在、その小学校で歴史を教えているSorin Stanciu先生は、「校長は無欠勤が有名の素晴らしい教師で、この学校に来てからわずか10年で校長の座に上り詰めました」と語り、その骸骨を畏敬の念とともに眺めている。その深い思いが通じてか、この小学校の卒業生は将来サイエンス系に進むことが多く、医師を目指す者も非常に多いそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)