writer : maki

NITTOのFacebookがファン数1000万人を突破。独創的デザインでタイヤブランド1位に。

日本のタイヤブランド「NITTO」の公式Facebookページが世界的な人気を博し、ファン数1,000万人を突破した。タイヤブランドとしては2位のFalken Tire(150万人)に約7倍の差をつけてグローバルトップ。その人気の秘密は映画に登場したり海外セレブたちも愛用する独創的なデザインにありそうだ。

東洋ゴム工業(株)によるタイヤブランド「NITTO」の公式Facebookページ(運営:Nitto Tire U.S.A. Inc.)がファン数1,000万人を超えた。「NITTO」はTwitterやFacebookといったSNSの価値が高まりつつあった2010年に、エンドユーザーとのコミュニケーションをとるため自動車業界の中でも先駆的にFacebookページを開設。以来、約1年で100万人(2011年12月)、2012年10月に250万人、2013月12月には500万人とファン数も増えており、本年6月以降は1日当たり平均25,000人の純増。昨年12月時点で500万人だったファン数が、わずか9か月のうちに倍増する勢いだ。ファン数1,000万人超は、タイヤブランドとして2位のFalken Tire(150万人)に約7倍の差をつけてグローバルトップ、自動車産業全体でもBMW、メルセデス、フェラーリに次ぐ第4位となる。

「NITTO」Facebookページ、ファン数の推移。

注目すべきは、各コンテンツへの「いいね!」数やシェア率が高いことだ。これは、訪れた人々の多くが何らかの意思を持ちアクションを起こすアクティブユーザーであることを意味する。さらに、ユーザーのアクティブ度(活性度)を示す「エンゲージメント率」においては、多くのカーメーカーが5%以下であるのに対し、NITTO Facebookページは平均10%を上回っており、当初の目的である双方向コミュニケーションが着実に進んでいることが分かる。

この人気は「NITTO」の独創的なデザインを特徴とする製品によるところが大きいようだ。日本ではカスタマイズカー愛好家などコアなファンが多い「NITTO」だが、アメリカでは、“炎”や“恐竜の爪”といった独創的なデザインが広く熱狂的な人気を博している。映画界でもクルマが主要な役割となる『トランスフォーマー』や『ワイルド・スピード』といった作品でそのデザインを目にする。また、セレブ界でも注目されており、日本でも人気のある歌手のマライア・キャリーやプロゴルファーのタイガー・ウッズの車がWebニュースなどで写った際に、その独創的なタイヤを履いていることがあるほどだ。

アメリカを中心とした海外で「NITTO」の知名度が高いのは、日本ブランドとしての高い技術力を裏付けに、アメリカンテイストのデザインを採用したことによる。タイヤの表面に刻まれた溝、「トレッド」はゴムの配合や計算された立体的な形状により、求められる駆動力や制動力といった性能を発揮する。その溝の入れ方によってできる紋様はトレッドデザインやトレッドパターンと呼ばれる最大の個性であり、いわば“タイヤの顔”となる。

「NITTO」のタイヤは、東洋ゴム工業が長年培ってきた高い技術力による確かな性能に、アメリカ育ちのブランドとして磨かれたデザインセンスが注ぎ込まれ、独特で個性的な世界観を生み出す。タイヤには交換を迫られて購入するというイメージが強いが、「NITTO」は宝石やアパレルのようにファッション感覚で装着する、「選択されるタイヤ」として存在感を示しているのだ。

今回、「NITTO」のFacebookがファン数1,000万人を突破した経緯にはそうした製品の人気とともに早くからデジタルによるコミュニケーションを進めてきた姿勢が基盤となっている。従来の雑誌広告を中心としたプロモーションから、限られた予算の中でパフォーマンスを最大化できるデジタルマーケティングへコミュニケーションの主軸をいち早く移行。Flashを用いたWebサイトをタイヤ業界で初めて構築し、各種SNSも積極的に取り組んできた。

その努力によって、2007年には、国際的なインタラクティブコミュニケーションのコンペティション「Horizon Interactive Awards」で金賞受賞。2012年には、米国インターネットマーケティング協会取材の「2012 Impact Awards」の5部門でクラス最高を受賞するなど世界的に評価されている。

※「NITTO」の公式Facebookページ(https://www.facebook.com/NittoTire
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)