元祖“小悪魔”系ポップシンガーで、今なお現役シンガーソングライターとして活躍するスティーヴィー・ニックス。彼女が最新インタビューで、あるスーパースターとの実りそうで実らなかった恋についてセンチメンタルに語り、話題となっている。
アメリカでは10月7日(日本では11月上旬)に発売を予定している『24 Karat Gold – Songs From The Vault / 24カラット・ゴールド~ソングズ・フロム・ザ・ヴォールト』というニューアルバムのプロモーションを兼ね、このほど『ビルボード(Billboard)』誌とのインタビューに応じたスティーヴィー・ニックス。1970年代、世界中のポップロックのファンに愛された「フリートウッド・マック」において、極めてコケティッシュで妖艶な魅力を放っていた女性リードシンガーである。
1998年にはロックの殿堂入りも果たし、成功も失敗も喜びも悲しみもすべて経験したスティーヴィー。すでに何の気負いもなくなっているという彼女は、どのような質問にも素直に答えを返している。1970年代にバンドメイトのリンジー・バッキンガムや、リーダーであったミック・フリートウッド(67)との恋に終止符を打っていたスティーヴィーは、人気バンド「イーグルス」のドン・ヘンリーと恋に落ちているが、彼がその後になってスティーヴィーが自分の子を妊娠、中絶したと話し、業界にも波紋が広がっていた。それについてはこう答えている。
「ドンの子を妊娠して堕胎したのは本当のことよ。ドンとの交際があのまま続いて結婚し、赤ちゃんを出産し、もしもその子が女の子だったら私は“Sara”と名付けたと思うわ。」
“Sara”と聞けばファンならピンとくるのが、1979年にフリートウッド・マックが発表したアルバム『タスク』の中で、スティーヴィーが手がけた美しいバラード曲の“Sara”。ドンもこの曲について、「スティーヴィーは僕との間に出来た赤ちゃんに“Sara”と名付けたがっていた」と発言していた。意外なエピソードではあるが、スティーヴィーはかつてひとりの男性と結婚していたことが分かっている。相手は白血病で亡くなったスティーヴィーの親友の夫、キム・アンダーソンさん。赤ちゃんを出産してすぐに他界した親友のためにスティーヴィーが母親役を買って出た次第だが、その結婚生活はたった3か月で破たんしている。妖艶なその魅力にもかかわらず、プライベートでは実りそうで実らない恋ばかりであったスティーヴィー。美しい失恋ソングの数々にはわけがあったのだろう。
またコカインおよび処方薬に重度に依存していた時期があったことを認めているスティーヴィーだが、彼女を診察した医師からは「脳卒中の危険がある」と告げられ、周囲にそういう例を見てきたこともあり、急に恐ろしくなってしまったことをこのインタビューで告白。「若い女の子たちのコカイン依存は絶対に良くない」と後輩たちに警鐘を鳴らしている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)