米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】「局所性ジストニア」の女性ランナー、後ろ向きランニングで再び走る喜びを。(加州)

どのような名医にかかっても、決して完治することのなかった不随意に筋肉がけいれんする「局所性ジストニア」という症状を、ボトックス注射などに頼らず緩和させようと試みている女性が米カリフォルニア州にいた。彼女は陸上のトラックを後ろ向きに走って人々をびっくりさせている。

ロサンゼルス国際空港にも近いカリフォルニア州のマンハッタンビーチで、かなりのスピードで後ろ向きに走る女性ランナーを見かけたら、それはローラ・カティヴェラさん(46)。オリンピック候補ランナーとして活躍していた中、「局所性ジストニア」という筋肉トラブルを抱えるようになり、走ることを諦めざるを得なくなっていた彼女を、絶望の淵から救ってくれた走行方法だそうだ。

ローラさんにその症状が現れたのは20代になったばかりの1989年。手や脚の筋肉を酷使するアスリートやミュージシャンにたまに見られる症状で、筋肉に突然けいれんや筋萎縮が生じ、それが持続するようになって見た目も変わってくる。実際にローラさんは1992年のオリンピック予選大会に出場した際まったく不調に終わり、膝が勝手に外側を向き、シューズの底は外側が減るように。トラックを真っ直ぐに走れなくなった脚に恐怖感すら覚えるようになっていった。

しかし走ることへの情熱を捨てきれなかったローラさんはドクターショッピングを繰り返し、MRI、CTスキャンの撮影回数は数知れないという。すでにボトックス注射による症状緩和にも限界がある、パーキンソン病治療薬も功を奏さなくなったなどと診断されていたが、現在の主治医Nicholas Szumski博士だけは大きな希望を与えくれた。「ジストニアは繰り返し同じ筋肉を酷使することで発症し、普段と異なる筋肉を活用することには重要な意義があります。ジグザクや後ろ向きといった様々なランニングパターンを試してみませんか?」と助言し、これにより彼女は再び走る爽快感を取り戻し現在に至っている。

ローラさんは今、同博士のお墨付きを得て、同じような症状で苦しんでいるランナーのためにマンハッタンビーチで後ろ向き走行によるランニング大会を開催できないものか、各方面に呼びかけている。ちなみに瞼、手指や首でこのジストニアに苦しんでいる人も多く、各種薬物療法や電気刺激療法などが有効でないケースには神経組織を切る外科的治療法がとられることがある。

※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)