その店は表参道の喧騒から隔たれた裏路地にある。「KIHACHI」の名を知る人々にとって、これほど豊かな食の空間が、3年以上にわたりこの地でひっそりと愛され続けていたことは、嫉妬すら感じる驚きであるかもしれない。
「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ (RISTORANTE KEN VENTI QUATTRO)」は、あの熊谷喜八氏の秘蔵っ子、宮川健一がオーナーシェフを務めるイタリアンレストランだ。
「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ」がこだわるのは「食材」。オーナーシェフである宮川自らが産地や生産者を訪ね歩き、土壌、気候を知り、食材を選び抜く。「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ」で供される食材はすべて実直だ。その実直にして最良の食材が幸せのイタリアンへと調理される。宮川は休むことなく厨房に立ち続け、最高の味覚・食感で訪れる人々に口福を供する。
宮川は服部調理師専門学校を卒業後、1988年19歳の時「KIHACHI」南青山本店に入社。29歳で初めて「KIHACHI ITALIAN」料理長としてデビューを果たす。その後も「SELAN」などKIHACHIが誇るブランドでその腕を振るい、最終的には「KIHACHI」本店の料理長を務め上げる。「KIHACHI」入社から23年にわたり熊谷氏のもとで研鑽に励んだ宮川が、満を持してオープンさせたのが「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ」だ。
この店のもう一つの大きな特長が「二十四節気」に合わせて毎月新しく変わるメニューだ。「二十四節気」とは太陽の黄道上の動きを24等分して約15日ごとに分けた季節のこと。簡単にいうと一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた暦。
これからの季節でいうなら「穀雨」が近しいだろうか。初鰹、北海生うに、地蛤、浅利、地金目、オクラ、新牛蒡、ホワイトアスパラガス、完熟トマト、マスクメロンなど極上の旬の素材がやってくる。
「さっと炙った初鰹のクルード」「真ダコとミョウガの自家製生パスタ」「アップルマンゴー、メレンゲ、オレンジソルベとグランマルニエの“パルフェ”」など、「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ」5月のメニューには、「穀雨」の美味が揃っている。
体に安心、安全な有機野菜を世に知らしめた熊谷喜八氏の食材への強いこだわりはつとに有名。同じこだわりを持ち、宮川はオーナーシェフとして「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ」の厨房に立つ。奇しくも宮川が初めて料理長となった29歳という年齢は、熊谷氏が初めて料理長として厨房に立ったのと同じ年である。宮川が「ムッシュ」と尊敬してやまない熊谷氏から連絡は今も絶えることはない。ムッシュの宮川に対する信頼は真に厚いようだ。
KIHACHIの精神を正統に受け継いだ「リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ (RISTORANTE KEN VENTI QUATTRO)」。最高の素材と極上の瞬を閉じ込めた美味を味わいに、ぜひ一度訪れていただきたい。
■リストランテ ケン ヴェンティ クワトロ(RISTORANTE KEN VENTI QUATTRO)」
東京都渋谷区神宮前5-6-5 Path OMOTESANDO
TEL:03-5466-7737
営業時間:
ランチ/11:30-15:00(L.O.14:30)
ディナー/18:00-23:00(L.O.21:00)
カフェタイム/14:30-17:00(カフェタイムは1階のみ営業)
定休日:無休
http://www.ristorante-ken.com/
(TechinsightJapan編集部 村上あい)