米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】寿命100歳も夢じゃない。「サーチュイン遺伝子を活性化するSRT1720の摂取を」と米国立衛生研究所。

健康番組で「健康もアンチエイジングも、遺伝子が大きくカギを握っています」などという言葉を口にする医学博士が増えている昨今、がぜん注目されるようになっているのが“長寿遺伝子サーチュインの活性化”という話題である。その方法がどうやら見えてきたもようだ。

DNA損傷の修復に関わり、糖尿病、心臓病、癌などを防ぐと言われている“長寿遺伝子”ことサーチュイン遺伝子。特にSIRT1を活性化させることでヒトの寿命はまだ延びると言われるようになっているが、米国国立衛生研究所(US National Institutes of Health)のラファエル・デ・カボ博士とその研究チームが、この件に関する興味深い実験結果を『Cell Reports』に発表した。

実はサーチュイン遺伝子は誰もが体内に持っているが、質のよい睡眠や食事をもってしてもこれを活性化させることは難しい。サーチュイン遺伝子に刺激を与えるミトコンドリアが生合成されるのは、低カロリー食や空腹が条件。そのため、“空腹のストレスなくしてサーチュイン遺伝子を活性化させる効果がある”として、赤ワインやピーナッツの皮などに含まれるポリフェノールを用いたサプリメントが人気を呼んだが、最近では質の悪さを指摘されることが増えていた。

そのような中で博士らは、SIRT1の活性化分子といわれてきた合成化合物のSRT1720に着目し、マウスを使った実験でその効果を検証。SIRT1が活性化したマウスでは体型もスリムになり、老化で起こる様々な病気の発生が抑えられて寿命が8.8%延びたという。これにより同研究所は、動物が生後6か月から体重1kgあたり100mgのSRT1720を摂取し続けた場合、悪玉コレステロールを減らし、糖尿病を防ぎ、細胞をあらゆる炎症から守り、ひいては老化自体を遅らせ寿命を延ばすことが可能になるであろうと結論づけた。

つい最近、英「ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン」のある研究チームが肉中心の食事は体の細胞、血管、そして脳の老化を早めるといった人とマウスによる実験結果を有名サイエンス誌に発表したが、そこで着目されたのはやはりSIRT1であった。これを欠損させたマウスでは精神活動の低下が確認され、93名のボランティアにおいても肉中心の高カロリー食を摂り続けることでこのSIRT1の不活性化が見られ、記憶障害などが出現。認知症発症にも関わりがあると結論づけていた。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)