南カリフォルニアの沿岸部でこのところやけに続いている「巨大魚を発見」というニュース。このほど、サンタモニカの沿岸に巨大なイカが打ち上げられたという話題がインターネット上を駆け巡った。だがその真相は…!?
こちらは『Lightly Braised Turnip』というサイトが現地時間の10日に、「日本のフクシマから太平洋を漂流してきたとみられる、サンタモニカ沿岸部に打ち上げられた巨大イカ」という記事とともに紹介した写真である。記事では、触腕の先から三角のエラの先端までの長さが48.7mもあるとんでもないクリーチャーだとし、「福島第一原子力発電所事故の影響で、遺伝子の損傷が起きて巨体化した可能性を専門家は指摘している」などとある。この記事はさっそくTwitterを通じてブレイクし、50万人もの人々をショックの渦に巻き込んだ。
だが今、英米大手メディアの複数がこの話について、「でっちあげの記事に人々はすっかり騙されてしまった」と報じている。『Lightly Braised Turnip』は人々を翻弄して楽しむパロディサイトであるとし、使用された写真もイカのサイズを巨大化させただけの合成写真だというのだ。同サイトに「同様の巨大イカを発見したといった情報をお持ちの方は、米・沿岸警備隊のホットライン1-800-244-3474までご連絡下さい」という演出も悪質だ。
ちなみに、こちらでも昨年秋にお伝えしていたとおり、カリフォルニア州沿岸部では巨大かつ大変珍しいとされる深海魚の「リュウグウノツカイ」が立て続けに発見されるなど、地球規模のこの異常気象とあっては海洋生態系に何の異変が生じても不思議はない状況である。
※ 画像はlightlybraisedturnip.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)