ハワイに大変長い苗字を持つ50代の女性がいる。その数なんと36文字。だが暮らしていく上で重要な役割を果たすことが多い免許証やIDカードには、36もの文字を印字させるほどのスペースがない。これが彼女をおおいに苦しめてきたのだが…。
米ハワイ州在住の54歳のある女性はここ20年余り、それは長い苗字に四苦八苦してきた。その名はずばり、Janice “Lokelani” Keihanaikukauakahihuliheekahaunaeleさん。1992年に結婚した夫の姓で、これを発音するとケイーハナイークウカウアーカーヒーフーリヘーエカハウナエレとなるそうだ。
日常生活においてはジャニス・ロケラニさんという名で通すことができても、正式に身分を証明するシーンでは困ることも多かったというジャニスさん。昨年の初めに交通取り締まりの警察官から免許証の提示を求められたが、名前の最後が切れているために、確認できないと問い詰められたことがあったのだ。そのため彼女は米運輸省に対し、「きちんと全ての文字を印字したカードを」と陳情を続けてきたという。
「カメハメハ大王」の響きに代表されるように、先住民時代のハワイ語には子音が少なく、土地や人々の苗字には“K”が多用されてきた。そんなルーツへの誇りを感じさせるジャニスさんの熱意に打たれたのか、最近になって同省はやっと「ファーストネームで40文字、ミドルネームで35文字、ファミリーネームで40文字の印字が可能」という新ポリシーを打ち立てた。ジャニスさんは今、新しい免許証を手に「もう誰にも二級市民だなんて差別はさせないわ。次はこれを持って社会保障庁よ。IDカードにもきちんと私の苗字を収めてもらうから」と意気込んでいる。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)