writer : maki

『有給休暇の買い取り制度』のアンケートに賛否両論。多数の現状訴える意見。

安倍政権になってサラリーマンの給料が下がり続ける中で、『有給休暇の買い取り制度』の解禁が注目されている。ネットによる意識調査を行ったところ、主として“有給休暇の本来の目的”を説く意見と“有給休暇が取得できない”現状を訴える意見が寄せられた。しかし、集計結果はサラリーマンの多くが有給休暇を取得できていない実態を表すものとなった。

労働基準法によると「年次有給休暇は、休日のほかに毎年一定日数の有給休暇を与えることで、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図ることを目的とする。また、年次有給休暇の買上げの予約によってその日数を減らしたり、請求された日数を与えないことは違反となる。ただし、法定付与日数を超えた部分については買上げも認められる」としている。

現在は条件付で認められる『有給休暇の買い取り』だが、有給休暇をほとんど取得できていないサラリーマンもいるのが現状だ。そこで、それを制度として買い取れば収入が増えるということから、『有給休暇の買い取り制度』に解禁の声が高まっている。

Yahoo!ニュースの意識調査で「有給休暇買い取り制度、解禁してほしい?」という質問をしたところ、次のような興味深い結果となった。

■有給休暇買い取り制度、解禁してほしい?
・「賛成」:83.7%(40,811票)
・「反対」:16.3%(7,972票)
(Yahoo!ニュース 意識調査調べ 対象は48,783人。実施期間:2013年11月12日~2013年11月22日)

集約結果は圧倒的に「賛成」派が多いが、回答者からのコメントでは「反対」派の意見も目立った。

「賛成」派の意見としては「権利としてあるのに使えないし、毎年捨てるなら金に換算して欲しいのが心情」というコメントのように、有給休暇が取れない現状で捨てるならば買い取って欲しいという主旨が多い。

一方で「反対」派には、「有給は消費の仕方こそ自由だが、期限内に必ず消費するものだ。いつだってバカンスできるし、それを換金するなんておかしい」と消費しない者の個人責任を指摘する意見も出ている。

また、「単に休暇の買い取りで済む話ではなく…過労死問題を呼び寄せてしまうであろうと、非常に危惧する」と有給休暇が取れない根本的な労働環境に目を向ける意見もあった。

「賛成」派も諸手を挙げて『有給休暇の買い取り制度』の解禁を歓迎するというわけではなく、「どうせ使えないのだから、会社が買い取ってくれたほうが良い」という事情から判断していることが分かる。その裏には、「休暇を取れるものならば取りたい」という本音がありそうだ。

もし、一時的に『有給休暇の買い取り』を解禁するにしても、早期に現代にふさわしい「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図ることを目的とする」年次有給休暇を考えねばなるまい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)