イタすぎるセレブ達

writer : tinsight-yokote2

【イタすぎるセレブ達】マイク・タイソン自叙伝でボクシング界に激震。「薬物検査にはいつも側近の尿。俺はコカイン依存だった」!

8月下旬に、「薬物乱用と深酒の習慣が抜けず、死が近いらしい」と話したボクシングの元ヘビー級王者、マイク・タイソン。輝かしいタイトルに輝き、殿堂入りも果たしたタイソンだが、彼はこのほど「薬物検査は常にいかさまだった」と激白。ボクシング界に激震が走っている。

WBCにおいて最年少チャンピオンの記録を塗り替え、その翌年にはWBA、IBFと3団体統一の世界チャンピオンになったエピソードを持つ、元ヘビー級王者マイク・タイソン(47)。国際ボクシング殿堂やWWE殿堂入りを果たしているが、レイプ事件や耳噛み事件をはじめとする多くのトラブルを起こしたために、8人の子を持つよき父親を自負するものの“凶悪で危険な男”というイメージが消えずにいる。

しかし今年からボクシングジム「Iron Mike Productions」のプロモーターとなっていたタイソンは去る8月下旬、「リハビリの甲斐もなく、俺は深酒と薬物依存をどうしても乗り越えられなかった。それがたたって死が近づいている。これまでの数々の過ちを皆さんに詫びたい。申し訳なかった」と発言し、ファンや関係者を大変驚かせた。しかしタイソンには、いちボクサーとして人々に詫びなければならない、もっと重要なことを心に抱えていた。引退から8年。彼は12日にラリー・スローマン氏との共著となる『The Undisputed Truth』というタイトルの自叙伝を発表したが、そこで現役時代の薬物検査がイカサマであったことに触れている。

“2000年6月にルー・サバリーゼと戦う前に思いついたんだ。その後はずっと側近から尿をもらっていた。何しろ俺の体は完全にコカインとマリファナでハイになっていた。記者会見の席にもそんな状態で臨んでいたよ。”

“戦争の歴史はドラッグの歴史でもある。優れた将軍、戦士と呼ばれる人物はいつだってハイになっていたんだ。”とも綴っているタイソン。生死をかけた戦いに挑む男にとってドラッグによる精神的高揚はなくてはならないもの、と言いたいのであろう。もっとも警察で行った尿検査だけは騙せなかったタイソン。その2000年にマリファナ不法所持で逮捕され、「試合前の薬物検査では陰性なのに」と関係者を動揺させている。

またタイソンは、“初めてコカインを知ったのは11歳の時だった”としている。ニューヨーク生まれの彼は2歳で父親が蒸発し、7歳からブルックリン区の“最悪のゲットー(移民系密集居住地区)”に暮らすようになり、いじめられる中で暴力を覚え、初めて逮捕されたのは9歳の時。その後立て続けに逮捕され、51回めにして少年院に収監された時はまだ12歳であった。マイク・タイソンの人生は、ブルックリンの治安改善は子供の育つ環境、教育事情の改善なしでは語れないことを強く物語っている。幼い頃から鍛えてきた鉄拳と俊敏さとは裏腹に、タイソンは自分が内向的な性格で静かな口調の持ち主であることを知っている。彼はそれを隠すために、ドラッグによる別人格の鎧をかぶっていたとも思える。波乱に満ちたタイソンの半生が集約されているというその自叙伝。ボクシングファンならずとも興味があるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)