スペシャルな味と見た目を競い合う人気の料理番組、米国版『マスターシェフ』のシーズン3で決勝戦に進出して話題を呼んだ26歳の男性が、このほどシカゴ南部で死亡した。警察は拳銃自殺とほぼ断定したもようだ。
昨年アメリカで放送された『Master Chef(邦題:マスターシェフ 天才料理人バトル!)』のシーズン3で決勝戦に進出した、ミシシッピ州出身のアフリカ系米国人ジョシュ・マークスさんがこのほどイリノイ州シカゴで自殺を謀り、類まれなる舌、料理の才能に恵まれたまだ26歳の命を絶ってしまった。
イギリスのBBC放送が1990年に初めて以来、世界展開となった料理番組の『Master Chef』。アメリカでも大人気で、2012年のシーズン3において9月の優勝決定戦に勝ち残ったのが、2メートルを軽く超す長身ゆえ“ジェントル・ジャイアント”として親しまれたマークスさんであった。
マークスさんは11日、シカゴ南部で遺体となって発見された。現在その検死が行われているが、シカゴ警察署はリボルバー銃が現場に落ちていたことと、統合失調症と双極性障害と診断されて本人も苦しんでいたという親類の話をもとに、自らの頭に拳銃を当てて自殺を謀ったものとほぼ断定した。
実はマークスさん、「シカゴ・トリビューン」紙によれば今年の7月に逮捕されている。世界に名だたるフレンチシェフとして同番組の審査員をしているゴードン・ラムゼイ氏の名を出し、「彼が僕に乗り移った。僕はもはや神の化身だ」などという異常な言動がみられ、取り調べをしようとした警察官に暴力を振るったのであった。
マークスさんが自殺という訃報はラムゼイ氏の耳にも入り、彼はTwitterを通じて「ジョシュ・マークス君が亡くなったという悲しい知らせに大きなショックを受けています。ご家族、知人、友人の皆さんの深い悲しみを察し、心からの祈りを捧げます」と哀悼の意を表明した。
ちなみにマークスさんを負かしたシーズン3の優勝者は、視神経脊髄炎で2007年に視力を失ったものの、大好きな料理への情熱を失うことはなかったというベトナム系の女性、クリスティーヌ・ハーさん。マークスさんがこしらえた一品である“タイガーシュリンプのバター煮”が「ちょっと生臭い」と批評され、フルーツを多用したハーさんのヘルシーメニューに軍配が上がり、賞金25万ドルは彼女の手に渡った次第である。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)