現在、日本の木造建築を支えてきた熟練大工職人の高齢退職、そして後継者としての若者の大工職人人口の減少が危惧されている。業界全体の問題として、若者の大工職人をいかに育てるかが課題となっている中、「ケイアイスター不動産株式会社」が、職人を目指す若者を正社員として雇用し、プロフェッショナルに育てる「社員クラフトマン制度」を導入、注目を集めている。
「社員クラフトマン制度」は、北関東を中心に地域密着型を掲げる不動産のトータルプロデューサー「ケイアイスター不動産株式会社」が、2012年4月より実施している職人の人材採用・研修制度だ。大工職や内装、基礎などを目指す高卒生を新卒採用し、約3年間の寮生活を通して職人の技術を伝承し、“クラフトマン”として、伝統技能継承者の一人に育てあげることを目的とする。
研修では座学の他、現場での実習を通して、大工職人の技術を身につける。3年間の研修を経て、晴れて匠の技を身につけた後は、同社の新築物件の建築を担当するという。同社は、技術を蓄積し、一貫施工にすることで、高品質で低価格な商品を提供できると考えており、今後は取扱物件の2割を同社クラフトマンが施工することを目標に掲げている。
また「社員クラフトマン制度」は、建築技能者志望の女性を増やし、良い環境を提供するための取り組みでもあるとしている。実際、2013年には初の女性が正社員として登用され、未来のクラフトマンを目指すため日々鍛錬に励んでいる。日本の女性は、 “細やかさ”、“丁寧さ”、“美しさ” を兼ね備えており、高い建築技能能力を持っていると同社は考えているという。
社員クラフトマンの募集要項は、「社員クラフトマン 募集専用ページ」で案内している。また同ページでは、研修生のインタビューや、一日のスケジュール、研修センターなどについても見ることができる。
■「社員クラフトマン制度」詳細 http://www.ki-group.co.jp/craftsman/one_day.html
(TechinsightJapan編集部 七海香)