米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】クローンでネアンデルタール人の復活を狙うハーバード大教授。“代理母募集”報道に本人ビックリ!

ヨーロッパからアジアにかけての広い地域で火と石器を用いた暮らしをするも、何らかの理由により2万年以上も前に滅びてしまったネアンデルタール人。この“旧人”たちを蘇らせようと、ハーバード大学医学部がクローン化に意欲を示していると言われるが…。

頭が大きく知能が高かった我々ヒトの祖先、ネアンデルタール人を復活させたら素晴らしいのではないかとドイツ誌『Der Spiegel』に発表したのは、ヒトゲノムの全塩基配列を解析する『ヒトゲノム計画(Human Genome Project)』を打ち立てたひとりで、ハーバード大学医学部で遺伝学を研究するジョージ・チャーチ教授であった。

教授は「今やどんな種類の哺乳動物でもクローン化は可能、当然クローン人間も可能ですよ」と自信満々であり、化石化したネアンデルタール人の骨からすでに十分な量のサンプルDNAを抽出してあるため、ゲノムの解読を行ったDNAを現代人女性のヒト幹細胞に注入することでクローン化を実現できると考えているのだ。

そのドイツ誌のインタビュー記事に基づき、瞬く間に世界中のメディアが“ネアンデルタール人のDNAを受け入れてくれる、野心に満ちた代理母を教授が募集している”と報道。その女性は後々ネアンデルタール人とヒトのハーフを産むことになると大騒ぎになってしまったが、これにもっと慌てたのは教授本人で、『ボストン・ヘラルド』紙を通じて慌てて待った!をかけた。

「私は確かにドイツでインタビューを受けましたが、とんでもない誤訳をされてしまったようです。あくまでも世間がクローン人間の作製を容認する時代が来てからという話であり、いつかそういう日が来るのであれば、今から少しずつ議論を重ねて行くべきだと言っただけです。今すぐと提唱したわけではありませんし、ヒトばかりでなくチンパンジーの幹細胞に注入するという方法もあります。」

この後、マサチューセッツ州ボストンのラジオ局「WBUR」のホスト、トム・アシュブルック氏とのインタビューにも応じたチャーチ教授。さらに持論を力説したが、アシュブルック氏に「基本的に何のメリットがあるんですか?」と尋ねられると、「アポロ月面着陸に何のメリットがあるのかと聞かれても一言では答えられない、それと同じ。やる前からダメと決めつける排他的発想は、いろいろなものから将来の可能性を奪ってしまいます」と巧みにかわした。

ネアンデルタール人の血が21世紀に復活するかもしれないなど、人類史にとっては重大なニュースとなるであろう。だが石器時代と現代ではウイルスや細菌も異なることから、何ということのないウイルスで重い病を発症する危険性もある。こうした予測できない事態をも含めて「将来の可能性」だと嬉々として語る教授には、そら恐ろしいものを感じるという声が多数あがっているようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)