アメリカの人気バンド『ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)』の「ロックの殿堂入り」について、式典直前という今月11日にリーダーのアクセル・ローズ(50)が辞退を表明。これに、全盛期を共にしたバンドメンバーらは…。
栄えある殿堂入りを、独断で拒んでしまったリーダーのローズ。広報担当者はその理由として「自分たちはそうリスペクトされてはおらず、受賞が歓迎されることはない」という彼の気持ちを伝えた。さらには「他のメンバーが殿堂入りを望んだり、受け入れたりすることがないように。また勝手な発言はしないで欲しい」などと、半強制的な言葉で他のメンバーにくぎを刺した彼の独裁者ぶりには誰もが驚いた。
このバンドは、1987年のデビュー・アルバム『Appetite For Destruction』と、1991年のセカンド・アルバム『Use Your Illusion I』が大ヒットしたが、不和やドラッグ依存症の発覚などによるメンバーの入れ替わりも激しかった。その頃のメンバーで現在もバンドにいるのはローズひとりである。そのため「あの頃は確かに良かった。殿堂入りについては、昔のメンバーによる再結成ステージが叶うのであれば賛成」という厳しい声も聞かれ、現在全くの新メンバーでガンズの活動を続けているローズとしては、大いに悩んだものと思われる。
ローズは拒んだままであったが、14日にはクリーブランドで「殿堂入り」の式典が開催され、プレゼンターの「グリーン・デイ」はガンズの名を確かに読み上げた。会場にはバンドのオリジナルメンバーであるスラッシュ(46)、スティーヴン・アドラー(47)、ダフ・マッケイガン(48)の姿があったが、パフォーマンスを披露できないのはローズから出された威圧的なコメントの影響であろう。
特に、ドラッグ依存のため1990年にバンドを追われ、翌年にはそれを不当解雇だとして裁判を起こし、印税収入の継続を確保していたドラマーのアドラーは『Rolling Stone』誌の取材に、「アイツについて何かを語ることは二度としたくない」と前置きしてローズを強く批判した。
「アイツは世界中の人々に向かって、“お前たちが考えていることなんてオレには関係ねぇ”って言い方をした。あまりにも失礼だったと思う。」
「出来ることならオレたち皆でステージに立ち、一生懸命なパフォーマンスを見せて、これまで長いこと応援してくれていたファンに恩返しがしたかったよ。真剣にファンのことを思っているのは、要するにここにいるオレたち3人だけってことさ。」
「オレの人生のあの素晴らしい一章を、共に過ごしてくれたアイツには感謝しているよ。でも、だからこそ今ハッキリとこう言える。アイツと一緒に何かを成し遂げてみたいとか、アイツのことをもっとよく知ってみたいとか、そういう気持ちはもうサラサラないね。」
全盛期を共にしたオリジナルメンバーたちに、どうやら大分嫌われてしまっているローズ。昨日、今日の発言で突然仲違いしたという感じではない。このような状況での再結成というのは極めて困難なもの、仮に彼らがステージに揃い踏みしたところで、心の通うパフォーマンスを見せてくれたかどうかは不明である。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)