「マラウイに、学校を10校建設したいの。」歌姫マドンナ(53)がこのような発表をしたのは、1月のことである。この寛大なる申し出にマラウイ政府も感激しているかと思いきや、意外なことに政府は「もうウンザリ!」と表明し、マドンナに対する怒り、失望、そして困惑をあらわにしている。
“非営利団体とタッグを組み、(マドンナの)チャリティ団体『Raising Malawi』が学校を建設します。1年に少なくとも1000人の子供たちが教育を受けられるようになるでしょう。”
マドンナがそう発表したのは、今年1月のことであった。すでにマラウイ出身の2人の養子を育てているマドンナにとっては思い入れのある土地であることは間違いないが、マラウイ政府は今、マドンナの申し出には“もうウンザリ!”しているという。彼らの言い分によると、“首都リロングウェのそばに女子校を建設する!”とかつて言い張っていたマドンナは、昨年に入りそのプランをいきなり放棄。さらに、マドンナは建設計画の放棄決定に先立ちマラウイ政府に報告することすら怠ったといい、その態度が政府をおおいに困惑させたもようだ。今回の新たな学校建設計画につき、スポークスマンのLindiwe Chideさんは以下のように語っている。
「またしても彼女(=マドンナ)は、当局を無視して学校を10校建設するなどと言っています。」
「こうすれば、我々の利益に関係なく彼女の世界的なイメージが良くなるだけ。今、我々はまさにそのような気分なのです。」
またChideさんによると、マドンナには“実際にマラウイのどういう地域に学校が必要なのか?”といった基礎的な知識もないはずという。
「マドンナは、まずは我々に一言相談するべきでした。そして何かをする前に、我々の許可を得るべきだったのです。」
この思いがけない反発に対しマドンナからの正式コメントは出されていないが、これらの主張が事実であれば、マラウイ政府がおおいに困惑していても不思議ではあるまい。だがここで具体的に「マラウイのここに学校が必要なのです!」などとマドンナに働きかけさえすれば、優れた教育施設が“必要な場所に”建設されるのではないだろうか。過去の失敗に失望する気持ちは理解できるが、政府がマドンナに歩みより具体的な話し合いに持ち込むことで、多くの子供たちの未来が開けるような気がする。そのためにも、まずはマドンナが過去の“学校建設計画放棄”について正式に謝罪と説明をすることは不可欠だろう。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)