現在、イタリアの自動車メーカー『フィアット』のCMに出演しているジェニファー・ロペス(42)。このほど、「フィアット社がイランにトラックを販売することで、同国の核兵器開発や人権抑圧政治に資金を提供している」と非難する米NPO団体が、ジェニファーに手紙を送り「フィアット車を宣伝するのを今すぐやめるように」と呼びかけている。
ジェニファーが白の『Fiat 500』に乗って、生まれ育ったNY・ブロンクスの街並を軽快に走り抜けるCM。現在米国内では頻繁にオンエアされているものだが、まさかこのCMでジェニファーがやり玉に挙げられるとは、本人も夢にも思わなかったに違いない。
このほど、ジェニファーのこのCMを巡って、彼女に「フィアット社のスポークスパーソンを今すぐ降りるべき。」という手紙が送られた。手紙を送ったのは、NYに本部を置く『United Against Nuclear Iran (UANI)』というNPO団体で、元米CIA長官や元国連大使、学者などを中心に結成され、主にイランとビジネスをする企業に圧力をかけることを活動目的にしている。
手紙では、ジェニファーが「フィアット車のCMに出演することで、“不法な核兵器開発プログラムを持ち、アルカイダを含むテロリストグループへの資金提供を行っている、世界で最もひどい人権侵害国の一つのイラン”とビジネスを行っている同社を代弁していることになる。」と批判。ジェニファーに対し、フィアット社との関係を断ち切るよう求めているそうだ。もちろん『UANI』ではフィアット社のセルジオ・マルキオンネCEOにも、イランとのビジネスを断ち切るよう要請する手紙を送ったとしている。
また同団体は、このジェニファーのCMを揶揄する「パロディバージョン」のCMを作成。同じCMに、ジェニファーに似た声のナレーションで「フィアットがイランでも車を販売しているって、私にも教えてくれればよかったのに。」などボイスオーバーをかぶせている。また、これまでのイランのストリートで行われた政治・人権活動家などの弾圧・殺害シーンの惨いビデオなどをインサートして、かなりショッキングな内容に仕上げている。
このパロディビデオは、ユーチューブや団体の公式サイトで誰もが見ることができるため、ジェニファーにとってもかなりのイメージダウンとなることは間違いない。恐らくただフィアット社と契約し、ギャラをもらってCMに出演しただけであろう彼女にとっては頭の痛い批判であろう。ちなみに、ジェニファー本人や代理人からのコメントなどはまだ出ていないそうだ。
実はこのCM、以前も全くの別件で批判を受けていた。ジェニファーが生まれ育ったブロンクスについて「私をタフで、シャープで、素早い思考が出来る人間に育ててくれた場所」とモノローグしながら走り抜ける内容なのだが、実はCMが撮影されたのはブロンクスではなく、ロサンゼルスだったことが明らかになっていた。離婚問題や年下の「トイボーイ」新恋人との関係など私生活が忙しいであろうジェニロペだが、今後「イランに肩を貸している」という批判にはどう対応していくのだろうか?
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)