ブラッド・ピット(47)主演の話題作、『マネーボール』の特別上映会がこのほど行われた米国の劇場で、自殺願望を訴える男性ファンをブラピが優しく諭すという異例の出来事が起きていたことを、米芸能誌『Us Weekly』が報じている。
先月27日のこと、ロサンジェルス国際空港にも近いカルヴァー・シティにある「ケアリー・グラント・シアター」で、ブラピの最新作『マネーボール』の特別上映会が行われた。そこでは質疑応答のセッションが設けられ、会場を埋め尽くしたファンや関係者が次々と挙手。ブラピらは丁寧にそれに答えていたが、30代と思われる俳優志願の男性が悲痛な面持ちでマイクを握りしめ、こう話した。
「昨日の夜まで、僕はどうしようもない孤独と闘い、車の中で死ぬことばかりを考えていました。でも今は違います。この映画を見て、僕の心の中には新たな希望が蘇った気がします。」
会場のお客さんはもちろんのこと、関係者やステージにいた俳優らも皆これには動転した。しかし唯一ブラピは落ち着きはらった声で、すぐさまその男性にこう語りかけたという。
「なあ君、人生はアップ・ダウンの繰り返しだよ。意地悪いサイクルで回っているんだ。だから僕たちは皆それと立ち向かい、うまく切り抜けて行くしかない。どん底に落ちたらまた這い上がるのみさ。色々な失敗があっても、それが僕たちを成功に導いてくれるんだよ。」
特別上映会が終了した後、ブラピはさらにその男性に歩み寄ってもう少し話を続けた。目撃者は同誌に、「その男性は本当に思いつめている様子でしたから、ブラッドは気になっていたんでしょうね。一生懸命に彼に話しかけ、励ましていましたよ」と語っている。
養子、実子の分け隔てをすることなく6人の子に愛情を注ぎ、懸命に育てる良き父親のブラピ。俳優業より、人生を掘り下げるヒューマン・ドラマ作りに強い興味を示すようになった。「かつてはあらゆる悪いことをやっていたけれど」と白状する正直な男でもあり、ハリウッドの巨匠たちに人生経験では絶対に負けていない。今後も数々の素晴らしい作品を発表して行くであろうブラピを、人々はおおいに応援したいと実感した様子だ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)