今や大人気の英国人シンガーソングライター、アデル(23)。アルバム『21』のセールスは世界でついに1000万枚を突破した。ところが、今後予定されていたコンサートツアーの多数の公演が、声帯出血のためにキャンセルとなってしまった。
エイミー・ワインハウスを失ったことで、私たちの心にポッカリと開いてしまった穴を、優しく埋めてくれるようにも聞こえるアデルの歌声は素晴らしい。アメリカの人々も、今月7日にキックオフとなる彼女の全米コンサートツアーを、大変楽しみにしていたはずだ。
ところが彼女は公式WEBサイトを通じて、10月7日のニュージャージー州アトランティックシティから、同月21日のテキサス州グランドプレーリーまでの10公演をキャンセルすると発表した。本人の強い苛立ち、ファンの期待に応えられない辛さが文面からも伝わってくる。
“歌は私の生きがい、愛、自由、人生そのもの。でも今は自分の体調を完全に回復させることを一番に考え、キャンセルを決めました。そうしないと私は永遠に声を失ってしまうらしくて…。”
“皆さんの期待を裏切ることは本当に辛い、忌々しくてなりません。でも弱くなった声帯をしっかり治療し、ヴォーカルのリハビリもちゃんとやるつもりです。力強い歌声と心身のスタミナを必ず取り戻したら、すぐにツアーを再開したいと思っています。”
“皆さんの失望感を思い、心から謝罪します。中には飛行機のチケットやホテルを予約した方もいらっしゃるでしょう。誕生日や特別な記念日のプレゼントだったのかも知れない。それらを無駄にしてしまいました。本当に申し訳ありません。”
“皆さんのために心を込めて素晴らしい曲を歌い続ける、これが私に出来る唯一のことです。どうか私を信じ、これからも応援して下さい。―アデルより愛を込めて”
実は彼女、6月にも喉頭炎で同様の問題が発生し、北米ツアーをキャンセルしていた。声帯出血の原因としては、咳に続いて突然発症する「声帯粘膜下出血」や声の使い過ぎによる「声帯ポリープ」などが考えられるが、彼女の “ステージに上がる前は緊張してよく吐いてしまう” と少し前に告白しており、嘔吐による刺激も重なっていないものか気になる。
声帯は歌手の命であり、人気絶好調だからとここで無理するわけには行くまい。お大事にして頂きたいものである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)