俳優ジェイク・ギレンホール(30)の姉の女優マギー・ギレンホール(33)が、バイブレーター発明の歴史を描いた新作映画『Hysteria(原題)』に出演した際、ロンドン中のバイブレーターストアから試供品を送られ、それを友人達に貸し出していたことが分かった。
『Hysteria(原題)』は1880年代の英ロンドンを舞台に、2人の医者が女性のヒステリーを治療するための医療装置として「電動バイブレーター」を開発する様子を描いた、実話に基づいた歴史コメディだ。
同映画の女性監督ターニャ・ウェクスラー氏は15日、プレミアが行なわれたカナダ、トロント映画祭の記者会見で「撮影を開始する時に、キャストやクルー全員に“弾丸型”の小さなバイブレーターを送ったの。高くついたわ。」と告白し、詰めかけた記者達を驚かせた。監督が持ち込んだバイブレーターは、撮影地であるロンドンのヒースロー空港のセキュリティーチェックポイントを通過する際にも、ちょっとした物議を醸したようだ。「荷物に20~30個の小さな電気器具が入ってますけど?」と係員に呼び止められ、彼女は「ええ、それはバイブレーターですよ。」と正直に答え、無事に通過したのだとか。
一方、映画のメインキャストの一人、マギーはこの映画に出演したおかげで、思わぬ「贈り物」を受け取ることになった。「映画を撮影し終えるまでに、ロンドン中のバイブレーターストアから私のところに、恐らく15本ものバイブレーターが贈られて来たの。嬉しい喜びだったわ。」と彼女。ストア側としては、同映画が「バイブレーターの発明」という珍しいテーマを扱っていることから、宣伝目的でマギーに商品を送りつけたらしい。
ではマギーはその無料バイブレーターをどうしたのか? 彼女は「私は信じられないような“コレクション”を手に入れた訳だけど、そのうち1~2個を実際に使ってみたわ。」と語った。俳優ピーター・サースガード(40)と結婚し、長女ラモナちゃん(4)をもうけているれっきとした人妻のマギーだが、役作りのため(?)恥ずかしがることもなく「もらったバイブレーターを使ってみた」と発言するところはさすがプロと言うべきか。
しかし、残りのバイブレーターはと言えば「友人達に貸しているわ。彼女達は6か月ごとに違ったものを試しているの。」とのことだから仰天である。バイブレーターを貸すほどの仲なら、とても親しい女友達なのだろうが、貸したものが返ってくることを考えると少々気が重くなりはしないのだろうか?
どちらにしろ、この一風変わったテーマの映画の仕事を引き受けた理由について、マギーは「女性のセクシュアリティに興味があったから。」と語る。また「バイブレーターの発明について、好奇心があった。映画のジャンルはロマンチックコメディだけど、何が起こるか分からない、普通じゃない作品になっているわ。私自身は常に何者からも自由でありたいと思っている。」とも。
それにしても映画の舞台のヴィクトリア時代当時には、ヒステリー症状の治療のため「医者が女性患者にオーガズムを起こさせる」という方法がまことしやかに行われていたことに驚く。しかも医者達は、女性に器具を使って刺激を与えることを「セクシャルな行為ではない。」と思い込んでいたそうだ。
その後、バイブレーターはホーム用品店で「医療器具」として量販され、のちに「大人のオモチャ」としてアダルトショップで広まった。その結果「女性の性の独立性」に貢献するようになり「現在のようにメインストリームの商品となった。」とウェクスラー監督は語っている。映画自体はその開発のはじまりを、下品になることなく洗練された歴史コメディとして仕上げているようで、なかなか興味深い作品に仕上がっているようだ。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)