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大日本印刷と城北宣広 プッシュ型の電子チラシ配信サービス「チラシ直送便PLUS」の実証実験を開始

新聞購読部数は激減しているが、スーパーなどの折り込みチラシが必要であるとして購読を続ける人も多数いる。
日本の新聞は伝統的に宅配という「プッシュ型」を取っていたため、IT化のひとつとして、折り込みチラシについても、電子チラシという形でのプッシュ配信が理想的である。
そこで、今般、大日本印刷と城北宣広は共同で、家庭内の情報端末(Android搭載端末)向けにプッシュ型で電子チラシや広告などを配信するサービス「チラシ直送便PLUS」を開発し、2011年6月30日より実証実験を実施する。

今回の実証実験は、関西電力のグループ会社で情報通信サービス事業を展開するケイ・オプティコムが、本年6月末より試験サービスとしてモニター向けに配布するAndroid搭載の専用タブレット端末に身近な生活情報などを配信する宅内情報サービス事業「eoスマートリンク」上で実施する。

「チラシ直送便PLUS」 は、新聞折込チラシを電子化し、毎朝、各家庭の専用タブレット端末に配信するサービスである。

配信には、商圏ごとの細かなセグメント割りが必要とされるが、本サービスでは、「チラシ直送便PLUS」のページで郵便番号を登録するだけで、周辺店舗の電子チラシが毎朝配信されてくる。

配信されるチラシは、「新着チラシ」「今週のチラシ」「お気に入りチラシ」として表示し、「新着チラシ」は、今日届いたチラシとその件数を表示する。

「今週のチラシ」は、前日から過去7日分を一括表示し、「お気に入りチラシ」は、過去7日分までのチラシを一括表示することができる。

実証実験は、2011年6月30日から11月30日(予定)まで実施される「eoスマートリンク」の試験サービスにあわせ、大阪府北摂エリア5市(豊中市、池田市、吹田市、茨木市、箕面市)でモニター500世帯を対象に実施される。

紙のチラシであれば、セールが過ぎれば捨ててしまうが、電子チラシは蓄積保存が可能であるため、どの商品はどの店がいつごろ安いかといった細かな情報が分析できる。

ネットショッピング全盛の時代とはいえ、生鮮食料品や日用雑貨品の購入は近所の店に出向かざるをえない。

そうした日常生活において、いち早くチラシがプッシュされて、その日の行動計画が決められる電子チラシの実用化が待たれるところである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)