東電横浜火力発電所に隣接するトゥイニー・ヨコハマ(撮影:鈴木亮介・15日)
福島第一原発の事故とその後の対応を巡り、日増しに批判が強まっている東京電力。関連施設もその余波を受けてか、休館に追い込まれている。
横浜火力発電所内に併設される東京電力のPR施設トゥイニー・ヨコハマは今月、全館の運営を中止した。取材に対し東京電力は、施設は廃止しないことや、年内の営業再開の可能性はないことを明らかにした。
トゥイニー・ヨコハマは平成9年、横浜市鶴見区大黒町の横浜火力発電所内に開設。「元気と電気のエネルギーパーク」として親しまれ、これまで80万人以上の来館者を記録している。
施設は火力発電所や原子力発電所をPRするねらいがあり、電柱上の変圧器など電気に関する機器が多数展示されているほか、火力発電所の見学会やミニソーラーカー作りなど様々なイベントを実施してきた。
しかし、3月11日に発生した東日本大震災の影響で、3月中の営業を自粛。その後、福島第一原子力発電所の事故や計画停電などの影響で、「電力の安定供給を最優先する」という理由で施設の運営中止を正式に決めた。現在、トゥイニー・ヨコハマの公式サイト上には、「地震の影響により全ての運営を中止いたしました。これまで、ご利用いただきありがとうございました」と記載されている。
東京電力西火力事業所は当サイトの取材に対して、施設の運営中止は一時的なものであり、廃館・施設解体の予定はないことを明らかにした。また、運営中止の期間については未定とした上で、「年内の営業再開の可能性はないだろう」との見通しを示した。
このほかの東京電力のPR施設についても、東京・渋谷の電力館など全ての施設が現在休館となっている。
大規模な節電が求められる今、施設の休館は当然の処置とも言える。一方、従来の「電気の大切さを訴える」という施設の意義をどう考えるか、また原子力発電を含めた電気に関する子どもたちへの教育について今後どのような方針を取るのか、東京電力の対応が注目される。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)